一本見送った電車
落ち込んだ時に聞く歌
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一本見送った電車
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落ち込んだ時に聞く歌
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朝の満員電車の吊り革に 昨日の数字がぶら下がる
スマホの通知は 部長の「至急」ばかり
改札でアイシーカードが鳴る 残高は少ないのに
肩書きだけが 名刺の上で立派に光ってる
期末の最終週 目標にはまだ届かない
会議室のモニターに 自分の名前が赤く並ぶ
「それで いつまでにやるの」 笑ってうなずく顔を作って
コインパーキングの社用車で 冷めたおにぎりをかじる 昼下がり
部下の前では 頼れる上司でいなきゃ
家に帰れば 優しいパパでいなきゃ
どっちの自分も 少しずつ すり減っていく
数字がすべてじゃない 赤く塗られても自分は自分
空っぽの鞄でも 今日まで ちゃんと運んできた
消えたいんじゃない 本当は少し 眠りたいだけ
夕暮れが先に帰っていく 夜のあとには朝が来る
日曜の夜 娘の寝息の横で 眠れずにメールを開く
住宅ローンの残りの年月が 天井に浮かんで見える
運動会の徒競走 「パパ見て」の声に 私は会議で間に合わなかった
スマホの写真の笑顔に まだ「えらいぞ」と言えていない
妻が背中で言った 最近 ごはんの味 しないでしょ
図星で 返事ができなかった
数字がすべてじゃない 赤く塗られても自分は自分
空っぽの鞄でも 今日まで ちゃんと運んできた
消えたいんじゃない 本当は少し 眠りたいだけ
夕暮れが先に帰っていく 夜のあとには朝が来る
強がるのが 仕事のうちだと思ってた
でも弱さを見せる勇気は 契約書より重い
ホームの白線の前で 電車を一本見送った
風の音だけが 自分の味方だった
数字がすべてじゃない 赤くても 私はここにいる
空っぽの鞄に 今夜は弱音を入れて帰ろう
消えたいんじゃない 本当は少し 眠りたいだけ
今から帰る ちょっと話を聞いてほしい
妻に 初めて 弱さを渡してみる
夕暮れの向こうに 朝はちゃんと来るから
一本見送った電車のあとに 次の電車がやってくる
私は私のまま 家へ帰る