清水寺は、なぜわざわざ崖に建てたのか?|清水の舞台を支える柱
現場のあらすじ
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清水寺は、なぜわざわざ崖に建てたのか?|清水の舞台を支える柱
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現場のあらすじ
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京都の音羽山(おとわやま)にある清水寺です。いま建っている本堂は、1633年に建て直されました。
柴犬のコテツと、フクロウのスミさんの会話で、わざわざ崖を選んで建てた理由と、清水の舞台を釘を使わずに支える柱の組み方を解説します。
その清水寺は、崖の上に建っています。
記録に残っているだけで9回焼け、そのたびに同じ場所に建て直されてきました。
平らな土地が無かったから、ではありません。
選んで、崖に建てられています。
――――――――――
なぜ山でなければならなかったのか。
理由は経典にあります。
観音菩薩は補陀洛山という山に現れる、と書かれている。
だから、観音をまつる建物は山でなければならない。
山の中に、平らな場所はほとんどありません。
土を削って平らにする方法もありますが、山は削れば崩れます。
そこで選ばれたのが、斜面をそのままにして、柱で床を持ち上げるやり方でした。
これを懸造といいます。
――――――――――
舞台を支えている柱は、18本。
すべて欅で、太いものは直径2メートルを超えます。
斜面なので、柱の長さは1本ずつ違います。同じ柱は1本もありません。
柱を立てただけでは、横から押されると倒れます。
そこで柱と柱のあいだに、貫と呼ばれる欅の厚い板を通します。
縦の柱と横の貫が組み合わさって、格子ができる。
格子になると、形が崩れなくなります。
この建物には、釘が1本も使われていません。
こだわりではなく、釘は揺れるたびに少しずつ抜けるからです。
代わりに、木の端を彫り込んで噛み合わせる継手を使い、
わずかな隙間は楔を打ち込んで締めています。
釘で固めると、力の逃げ場がなくなります。
継手と楔は、わずかに動く。動くことで、力を逃がしています。
――――――――――
舞台の床に敷いてある桧の板は、およそ410枚。
広さは100畳、およそ190平方メートルです。
地震のとき、固く作った建物は力の逃げ場を失い、
いちばん弱いところに力が集まって、そこが壊れます。
懸造の格子は逆で、1本が受けた力をつながった木が分け合います。
京都で想定される最大級の地震、花折断層のマグニチュード7.3を
想定した解析では、本堂は倒壊の可能性が低いという結果が出ています。
ただし、無敵ではありませんでした。
記録に残っているだけで、清水寺は9回焼けています。
1063年の火災から、1629年の焼失まで。
それでも、場所を変えるという選択はとられませんでした。
今の本堂は、1629年の焼失から4年後、
1633年に3代将軍・徳川家光の寄進で建て直されたものです。
――――――――――
もし今、同じ場所に同じ建物を建てるなら、
まず斜面を削り、擁壁で押さえ、杭を打つことになります。
確実ですが、山の形は変わります。
懸造は、削りません。
柱の長さを1本ずつ変えて、斜面のほうに合わせています。
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ピサの斜塔は、地盤が悪くて、やむを得ず塔を曲げました。
黒部ダムは、岩盤が悪くて、端の作りを変えました。
どちらも、自然に合わせた話です。
清水寺は違います。
難しい場所を自分から選んで、そこで成立させています。
崖に建てるしかなかったのではありません。
崖に建てると決めたから、この形になりました。
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出典:清水寺 公式サイト、Wikipedia日本語版、
レファレンス協同データベース(国立国会図書館)ほか
音声:VOICEVOX:白上虎太郎(CV:可愛ユウ)、VOICEVOX:東北きりたん
写真: 写真AC/Pexels
#建築 #土木 #清水寺
0:00 なぜ、わざわざ崖に建てたのか
0:55 なぜ、山でなければならないのか
1:25 斜面に、どうやって水平な床を作るのか
1:47 どうやって、斜面に立てるのか
3:12 なぜ、釘を使わないのか
4:05 舞台の重さは、どこへ行くのか
4:43 地震のとき、どうなるのか
5:52 今なら、どう建てるのか
6:52 本当の弱点は、何だったのか
7:41 今の本堂は、いつのものか
8:16 屋根は、何でできているのか
9:01 どうやって、400年もたせているのか
9:41 まとめ