離婚を切り出すと、夫は子ども三人との暮らしを私に任せた。六十代の私は家賃と生活費を書き出した。この家を離れて、どんな朝を迎えられるだろう
Wascom Loforte
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離婚を切り出すと、夫は子ども三人との暮らしを私に任せた。六十代の私は家賃と生活費を書き出した。この家を離れて、どんな朝を迎えられるだろう
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Wascom Loforte
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離婚したいと告げた私に、夫は働く子ども三人の暮らしを任せると言い、勤務表を押しつけました。早番の息子の弁当用に取り分けた魚へふたをして、私は買い物メモの下に、家賃と生活費を書きました。
六十五歳。スーパーで働きながら、家族の出勤時刻に合わせて食事も買い物も整えてきました。退職した夫の昼食に間に合うよう帰る毎日。夫の分がなくなれば楽になると言われても、私が望んだのは、世話をする人数を一人減らすことではありません。
ローンの終わった家を出れば、毎月の家賃がかかります。年金と短時間の仕事で暮らせるのか。膝が重くなる夕方には、いつまで働けるのかも怖くなります。それでも、家賃の欄を消して、また五人分の食費を書く気にはなれませんでした。
息子は家に入れるお金を増やすと申し出ました。別の息子は、引越し後も作り置きに通ってほしいと。そして、体調を崩して実家へ戻っていた娘は、一緒に行きたいと言います。娘を安心させたい気持ちと、初めて一人で暮らしたい気持ち。その間で、私はすぐに返事ができません。
同僚に相談し、部屋を見て、入居費用を書き出す。一つずつ準備を進める一方で、夫からは、家に住めることを私の取り分にして、預金はそれぞれの名義のままにする案が出ます。住まいを残してもらうことと、これからの生活を自分で支えられることは、同じなのでしょうか。
家族を嫌いになったわけではありません。けれど、誰も困らない日を待っていたら、私はいつ自分の暮らしを始められるのでしょう。娘を気にかけながらも、一人用の部屋を探すと決めた私。その選択に伴う不安と、家族との距離の変化を、どうぞ最後まで聞いてください。
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