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【君が代】の源流「我が君は~」で始まる歌を聴く|読人知らずの和歌

WAVE MEDICINE / 祈りの源流

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【君が代】の源流「我が君は~」で始まる歌を聴く|読人知らずの和歌

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「君が代」は、もともと祈りだった── そう語られることは、少なくありません。 けれど、本当に見つめるべき問いは、その先にあります。 なぜ、原型とされる古歌の「我が君は──」は、 やがて「君が代は──」へと変わっていったのか・・・ そして、その「君」とは、いったい誰のことだったのでしょうか? 現在の「君が代」の歌詞の源流は、 『古今和歌集』巻第七「賀」の冒頭に収められた、 題知らず・読人知らずの一首とされています。 我が君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで この歌が置かれている「賀」とは、祝いの歌を集めた巻です。 そこにあるのは、近代国家の繁栄を願う言葉というよりも、 まず、大切な誰かの長寿や誕生、人生の節目を寿ぐ(ことほぐ)、 古い祝いの心でした。 小さな石が、 長い時をかけて大きな岩となり、 その岩に苔が生えるほどの年月を超えて、 どうか健やかに続いてほしい。 この歌は、 敬愛する相手の命と時間が、 永く、永く続いていくことを願う、 寿ぎの歌だったのです。 では、「君」とは誰なのか? 天皇なのか。 主君なのか。 親なのか。 愛する人なのか。 あるいは、目の前にいる、 かけがえのない誰かなのか。 古い時代の「君」は、 ひとつの意味だけに閉じ込めることのできない、 広く、深い言葉でした。 時代によって、 その意味は少しずつ姿を変えながら、 この歌は長い時間を生き続けてきました。 平安時代── 「我が君は」で始まった和歌は、 やがて鎌倉時代の写本の中に、 「君が代は」という形でも姿を現します。 そして江戸時代になると、 その言葉は、祝言や芸能の中で、 祝いの席の歌として広く流布していきました。 ここで起きた変化は、ただの言い換えではありません。 「我が君は」には、祝う者の“我”がありました。 私が、あなたを祝う。 私が、あなたの長き命を願う。 そこには、 祈る者と、祈られる者の、 静かな関係がありました。 しかし、初句が「君が代は──」になると、 その“我”は消えます。 歌は、 ひとりの相手への祝福から、 “君”を中心に続いていく時間そのものへの祈りへと、 姿を変えていきました。 君の世。 君の時代。 君を中心に続いていく世界。 それは、 誰か一人への祈りでありながら、 やがて、誰にでも向けられる 祝福の器となっていきます。 けれど、 ここで見落としてはならないことがあります。 「我が君は」から「君が代は」への変化は、 明治になって突然起きたものではありません。 「君が代は──」その言葉はすでに、 人々の祝言の中で、 芸能の中で、 祝いの席の歌として、 長く歌われていました。 明治という時代は、 そのすでに広がっていた「君が代」を、 天皇を中心とする国家儀礼の歌へと、 接続します・・・。 つまり、 この歌の歴史とは、 ただ言葉が変わった歴史ではありません。 祈りの宛先が、 変わっていった歴史なのです。 目の前の君へ。 祝われる誰かへ。 天皇の御代へ。 国家という共同体へ。 そして今── 私たちがこの歌を聴くとき、 そこに浮かぶ「君」は、 ひとりの誰かではないのかもしれません。 それは、 日本という共同体であり、 この国に生きる私たちであり、 これからも続いてほしい、 静かな時間そのものなのかもしれません。 かつて、 「我が君は」の中にあった“我”は、 「君が代は」の中で一度、姿を消しました。 けれど、その“我”は、 長い時代をめぐって、 今度は“我々”として、 この歌の中へ戻ってきたのかもしれません。 本動画では、 現在の「君が代」に近い響きを持つ旋律に、 その源流である「我が君は」の言葉を重ね、 一首の和歌が持っていた、 古い祈りのかたちをたどります。 これは、政治的な賛否を語るための動画ではありません。 一つの歌が、 どのように祈りとなり、 祝福となり、 儀礼となり、 そして国歌となっていったのか。 その奥にある、 日本人が古くから抱いてきた 「永く続いてほしい」という願いを、 静かに聴いていただくための動画です。 君が代── それは、誰か一人の歌であり、 誰のものでもない歌であり、 そして今、 私たち自身の祈りとして、 今もなお、静かに響いているのかもしれません。 ──祈りの源流。 #君が代 #君が代の源流 #古今和歌集 #読人知らず #和歌 #国歌 #日本の祈り #日本文化 #古代日本 #祈りの源流