常磐の銀鍵(Evergreen Keys)』― 二重の常磐。壁一枚、同じ顔のわたしーsurreal gaiden feat. 黒猫珈琲研究所ー
surreal project
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常磐の銀鍵(Evergreen Keys)』― 二重の常磐。壁一枚、同じ顔のわたしーsurreal gaiden feat. 黒猫珈琲研究所ー
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同じ名前、同じ顔、同じ記憶。ただ、生きている世界線が違うだけ。
壁一枚をはさんで、もうひとりのわたしが暮らしています。声は届かず、手のひらを当てると温度だけが伝わる。行き来するのは、鉛筆と走り書きと、コーヒー。薄いのと濃いのを、一つのカップで半分ずつ。
『二重の常磐(Evergreen Sanctuary)』
― 片方だけの明日は、いらない。
【あらすじ】
山あいの宿の一室は、厚い石壁で二つに分かれています。北は霧の谷に面した、色の薄い水彩のような世界。南は陽の当たる坂の町、色がはっきりと濃い世界。壁の継ぎ目には、小さな金の十字がひとつ。
北の部屋に襖絵や屏風の彩色を直すミナ、南の部屋に小さな喫茶店を切り盛りするミナ。同じ名前、同じ顔、同じ記憶。ただ、生きている世界線が違うだけでした。
秋の終わり、記録所の女が告げます。「同じ名は、ひとつしか残せない」。壁の奥から見つかった銀の鍵穴と、祖母の残した図面。ふたつの鍵で開く扉を、ふたりはそれぞれのコーヒーを型にして削ります。
【イラスト】
黒猫珈琲研究所 様
同一人物でありながら違う世界を生きる二人を、左は繊細な線描と淡彩を重ねた幻想的なタッチで、右はアニメのタッチで。同一人物だからこそ、完全なシンメトリーで描いていただきました。中央で触れ合う指先から、金の十字の光が立っています。
【黒猫珈琲研究所 様】
元アニメ業界人。バリスタ資格をお持ちで、2027年7月にアニメカフェのキッチンカーを開業予定。新潟を拠点に、主に関東、そして全国を周りたいとのこと。インスタを始められたばかりだそうです。
献呈
黒猫様
『二重の常磐(Evergreen Sanctuary)』を、あなたにお贈りします。
この物語は、壁一枚をはさんで、同じ顔の二人が暮らす話です。声は届かず、温度だけが伝わる。行き来するのは、鉛筆と走り書きと、コーヒー。薄いのと濃いのを、ひとつのカップで半分ずつ。そんな静かな往復だけの毎日を書きました。
珈琲を淹れる人の手つきは、きっと相手を覚えることから始まるのだと思います。豆の挽き方ひとつで、同じ一日が少し違って見える。あなたがこれからキッチンカーで配る一杯も、誰かの「薄い世界」と「濃い世界」をつなぐ、小さな穴になるのだろうと、勝手に想像しています。
ジャケットの、あの完全なシンメトリーを初めて見たとき、この話はもう半分できているのだと思いました。左の繊細な線と淡い色、右の鮮やかなアニメの線。同じ人物なのに、まったく別の世界を生きている。指先の金の十字が、境界と約束の両方に見えたのです。
2027年7月の開業を、静かに楽しみにしています。新潟から関東へ、そして全国へ。どうか、よい旅になりますように。改めて私の地元に来るときは、是非うかがわせて頂きます。あらためて、この物語を一緒に作ってくださり、ありがとうございました。
2026年10月21日
takaswi mizuha
企画・物語:takaswi mizuha
surreal gaiden feat. 黒猫珈琲研究所
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