化学結合の正体とは…そして、なぜ原子と原子の間には何も存在しないのか|量子化学|共有結合|分子軌道|パウリの排他原理|福井謙一|物理学
眠れる銀河
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化学結合の正体とは…そして、なぜ原子と原子の間には何も存在しないのか|量子化学|共有結合|分子軌道|パウリの排他原理|福井謙一|物理学
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水素分子を2つの原子に引き裂くには、1モルあたり436キロジュールのエネルギーが必要です。それだけの力で結ばれていながら、2つの原子の間には、両者を引っぱっている物体が何一つ存在しないことをご存知でしょうか。
棒もなければ、糸も、接着剤もない。教科書に描かれるあの1本の線は、絵であって物ではありません。それどころか結合の内側では、原子核どうしも電子どうしも互いに反発し合っています。それでもなお、2つの原子は離れないのです。
この動画では、1927年のチューリッヒで2人の若い物理学者が水素分子を計算し、古典物理学に対応物のない「交換項」を見つけ出した瞬間から始めて、軌道とは何か、結合性軌道と反結合性軌道がなぜ必ず同時に生まれるのか、なぜ水素は結ばれヘリウムは結ばれないのか、そして「結合をつくるのは引力なのか、それとも解放なのか」という60年以上決着していない論争まで、化学結合の正体を順を追って解き明かしていきます。
さらに今回は、日本の話を二つ加えました。1952年の京都では、燃料化学の研究室にいた33歳の福井謙一が、反応を決めているのは分子のすべての電子ではなく、いちばん外側のわずかな軌道だけだと主張しました。ほとんど反応はなく、13年後にウッドワードとホフマンの規則が世界を席巻してようやく再発見され、1981年、アジアで初めてのノーベル化学賞に結びつきます。そして2026年5月、理化学研究所は156量子ビットの量子計算機2台とスーパーコンピュータ「富岳」を組み合わせ、水中のタンパク質1万2635個の原子を計算しました。従来記録の40倍です。
パウリの排他原理がなぜ机に固さを与え、中性子星を支えているのか。軌道の向きがなぜ分子に立体の形を与え、薬が効くかどうかを決めるのか。ベンゼンの環から銅線、そして半導体へと、同じ規則が原子の数を増やすだけでどこまで届くのか。最後は、マイナス183度の液体酸素が磁石のあいだにぶら下がる、あの実験まで。
なぜ何も存在しないはずの場所が、これほど強く原子をつなぎとめているのでしょうか。
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【目次】
0:00 導入 ― 原子の間には何もない
1:18 1927年 チューリッヒ ― 化学が初めて計算された日
6:26 点と線が答えなかったこと ― ルイスの共有電子対
10:02 軌道は軌跡ではない ― 電子は道を持たない
14:27 波が重なる ― 結合性軌道と反結合性軌道
19:21 水素は結ばれ、ヘリウムは結ばれない
23:03 結合をつくるのは引力なのか ― 60年続く論争
27:36 パウリの排他原理 ― 机が固い本当の理由
31:06 もし排他原理がなかったら ― 周期表が消える世界
33:30 結合には向きがある ― 分子はなぜ形を持つのか
38:17 【日本】1952年、京都 ― 反応はどこへ向かうのか
43:43 【日本】分子を計算する ― 富岳から量子コンピュータへ
48:10 2つから無数へ ― ベンゼンから半導体まで
52:35 同じ炭素、違う世界 ― 液体酸素は磁石にぶら下がる
56:43 総括
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【この動画で扱った主なトピック】
ハイトラーとロンドンの水素分子計算/交換項と電子の区別不可能性/ルイスの共有電子対と量子力学以前の化学史/ファラデーの電気分解とイオン結合/原子軌道と節面/電子雲と確率解釈/結合性軌道と反結合性軌道/結合距離と結合エネルギー/結合次数と水素・ヘリウムの対比/ルーデンバーグの運動エネルギー説とファインマン・スレーターの反論/パウリの排他原理と縮退圧/中性子星/σ型とπ型の重なりと回転障壁/混成軌道と四面体構造/フロンティア軌道理論とHOMO・LUMO/ウッドワード・ホフマン則/ハートリー・フォック近似と密度汎関数理論/コーンとポープル/オニオム法/量子計算機による分子シミュレーション/ベンゼンの非局在化/金属のバンド構造と半導体/酸素の常磁性と液体酸素/ダイヤモンドと黒鉛/水素結合と水の異常性
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VOICEVOX:青山流星
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