【ASD/ADHD】一瞬で分かる!?発達障害で体力がない人の5つの特徴を精神科医が解説します。
精神科医 芳賀高浩
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【ASD/ADHD】一瞬で分かる!?発達障害で体力がない人の5つの特徴を精神科医が解説します。
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精神科医 芳賀高浩
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こんばんは。精神科医の芳賀高浩でございます。
今日は6月14日、日曜日でございます。今日は新企画をやってみようと思います。
先日、精神科系YouTuberの先生方のチャンネルを、あらためて総復習してみました。樺澤先生、益田裕介先生、松崎朝樹先生、トミー先生、しどう先生、さわ先生、あつみ先生など、いろいろな先生方の動画を見ていたわけです。
その中で、最近ぐっと伸びているチャンネルを見つけました。精神科医・竹内今日生先生のチャンネルです。登録者数は3万人少しというところですが、動画がかなり視聴されているんですね。
そこで私は思いついてしまいました。
「リスペクトフルオマージュ」という言葉があります。尊敬を込めた真似、という意味ですね。今回は竹内今日生先生の企画を、リスペクトフルオマージュさせていただこうと思います。
直近の動画で、「ADHD・ASD、発達障害で体力がない人の5つの特徴」というテーマがありました。私はあえてその動画の中身は見ずに、タイトルだけを見て、「芳賀バージョン」として同じテーマを話してみようと思ったわけです。
もちろん、同じ精神科医が話すので、内容はある程度かぶると思います。5つ挙げれば、3つくらいは重なるかもしれません。ただ、2つくらいは違うのではないかとも思います。もしかすると、そもそもの趣旨が違っている可能性もあります。
それも含めて、けっこう面白い企画になるのではないかと思っています。この動画が好評であれば、また竹内今日生先生のリスペクトフルオマージュを続けていこうと思います。
さて、本題です。
ADHDやASDなどの発達障害のある方は、「体力がない」と言われることがあります。ただ、これは単純にサボっているとか、気合が足りないとか、そういう話ではありません。
そもそも、日常生活を送るために使うエネルギーの量が多いのです。
たとえば、片足を失って義足をつけている方と、両足がそろっている方がいるとします。同じように5km歩いてくださいと言われたら、どんなに義足が優れていても、片足の方のほうが疲れやすいだろうと思います。
それは、片足の方がサボっているわけではありません。かわいそうだと過剰に扱う話でもありません。ただ、同じ5kmを歩くにも、必要なエネルギーが違うという事実があるだけです。
ADHDやASDの方も、それと似ています。定型発達の方と同じことをしていても、どうしても余計にエネルギーを使ってしまうところがあります。ですから、「体力がない」のではなく、「体力を使いすぎてしまう」と考えたほうがよい部分もあります。
ただし、これは改善の余地もあります。どこでエネルギーを消耗しているのかが分かれば、生活の工夫によって疲れにくくなる可能性があるからです。
では、ADHD・ASD、発達障害で体力がない人の5つの特徴をお話ししていきます。
1つ目は、睡眠で回復できないことです。
ADHDにもASDにも、睡眠障害を抱えやすいという報告があります。睡眠のリズムが作れなかったり、眠りが浅かったり、寝つきが悪かったりする方が多いわけです。
なぜそうなるのかについては、まだ完全に分かっているわけではありません。ただ、事実として、ADHDやASDの方は定型発達の方よりも睡眠の困難を抱えやすいと言われています。
睡眠は、体力や精神力を回復するための土台です。頭の中を整理したり、身体を休めたりする大事な時間です。そこがうまくいかないと、当然、翌日に疲れが残ります。
つまり、これは「体力を使いすぎる」というより、「使った体力を回復しにくい」という問題です。
逆に言えば、睡眠を整えることで、疲れやすさが改善する可能性があります。たとえば、寝る前にお風呂に入る、午後3時以降はカフェインを控える、お酒をなるべく減らす、寝る前のスマホを控える。こうした基本的な生活習慣を整えるだけでも、かなり違ってくることがあります。
2つ目は、運動量が少なく、座りがちであることです。
ADHDというと多動のイメージがあるので、よく動いているように思われるかもしれません。しかし実際には、ADHDでもASDでも、平均すると運動量が少ない傾向があります。
体を動かさなければ、当然、体力は落ちます。座っている時間が長くなり、筋力や持久力が低下していく。すると、ますます動くのがしんどくなる。こうした悪循環が起こります。
ASDの方は、習慣化がうまくいくと、定期的な運動を続けやすいことがあります。毎日同じ時間に散歩する、決まったコースを歩く、同じメニューを繰り返す。こういう形に落とし込むと続きやすい。
ADHDの方の場合は、報酬をつけるとよいことがあります。30分散歩したら好きなものを楽しむ、運動を記録して達成感を得る、ゲーム感覚にする。そうすると、行動に移しやすくなることがあります。
3つ目は、協調運動が苦手で、動作コストが高いことです。
ADHDやASDの方は、滑らかな動きが苦手なことがあります。たとえば、スポーツでも、最初は動きがカクカクしていたり、無駄な動きが多かったりすることがあります。
本来、滑らかな動きというのは、目的を達成するために最短で、無駄の少ない動きです。ところが、協調運動が苦手だと、同じ動作をするにも余計な力が入ったり、遠回りな動きになったりします。
ご飯を食べる、歯を磨く、顔を洗う、服を着る、歩く。こうした日常の動作一つひとつに、少しずつ余計なエネルギーがかかるわけです。
普通の人が1のエネルギーでできることに、1.2倍、1.3倍のエネルギーを使っているかもしれない。そう考えると、疲れやすいのは当然です。
この場合、作業療法、つまりOTが役立つことがあります。PTが歩く、走る、階段を上るといった大きな運動を見るのに対して、OTは日常生活の動作を見ていきます。歯を磨く、料理をする、着替える、入浴する。こうした日常動作を見直すことで、動作コストを下げられる可能性があります。
4つ目は、感覚過敏によって環境に疲れることです。
特にASDの方には、感覚過敏がよく見られます。音、光、におい、肌触りなど、特定の刺激に強く反応してしまうことがあります。
私自身もASD傾向がありますが、聴覚過敏はあまりない一方で、肌触りにはかなりこだわりがあります。たとえば、ザラザラした服を着ると、それがずっと気になってしまうんですね。
使えるエネルギーが100あるとして、そのうち10が「この服の肌触りが気持ち悪い」ということに常に使われてしまう。これは非常にもったいないことです。
ですから、感覚過敏がある方は、環境調整がとても大事です。肌触りのよい服を選ぶ。同じような服を毎日着る。音がつらいならノイズキャンセリングを使う。落ち着く音楽を流す。においが気になるなら、自分に合う香りに統一する。
感覚のストレスを減らすだけで、日常の疲れやすさはかなり変わることがあります。
5つ目は、マスキングと過剰適応でバーンアウトすることです。
発達障害のある方は、社会生活の中で自分の特性を隠したり、周囲に合わせたりすることがあります。これをマスキングと言います。
知的に問題がなければ、「こういう場面ではこう対応したほうがよい」「こう言うと空気が読めないと思われにくい」というように、パターンを覚えて適応していくことができます。これは社会生活を送るうえで有効です。
ただし、疲れます。
どれだけ慣れていても、ありのままの自分でいるわけではありません。常に自分を調整し、演じ、周囲に合わせている。そのコストが積み重なると、10%、20%と余計に疲れていくわけです。
もちろん、周囲から誤解されたり、嫌われたりするよりは、マスキングしたほうが楽な場面もあります。しかし、それをやりすぎるとバーンアウトしてしまいます。
大事なのは、自分がどの場面で過剰適応しているのかを見直すことです。「これはやりすぎているな」「ここはもう少し自然体でも大丈夫だな」と整理していく。カウンセリングなどで、自分の適応の仕方をブラッシュアップしていくと、少し疲れにくくなる可能性があります。
まとめます。
ADHD・ASD、発達障害で体力がない人の特徴として、今回は5つ挙げました。
睡眠で回復できないこと。
運動量が少なく、座りがちであること。
協調運動が苦手で、動作コストが高いこと。
感覚過敏によって環境に疲れること。
マスキングと過剰適応でバーンアウトすること。
発達障害の方が疲れやすいのは、単に怠けているからではありません。同じ生活をしていても、そもそも消耗しやすい構造があるのです。
ただし、睡眠を整える、運動を習慣にする、日常動作を見直す、感覚環境を調整する、過剰適応を減らす。こうした工夫によって、疲れやすさは改善していく可能性があります。
ということで、今日は竹内響先生のリスペクトフルオマージュとして、「ADHD・ASD、発達障害で体力がない人の5つの特徴」を、芳賀バージョンでお話ししました。
竹内先生の動画とは、どこが同じで、どこが違うのか。ぜひ答え合わせしていただければと思います。なお、竹内先生にはまったく許可を取っておりませんので、笑って許していただければ幸いです。多分、笑って許してくれるでしょう。
さて、最後に少しだけ本の朗読をします。
今日は、きさきさんのきれいなイラスト、「自傷行為」のページです。自傷行為という重いテーマなのですが、イラストはとても可愛らしいですね。よくこのテーマを、これだけ柔らかく描けるなと思います。
「一口に死にたいと言っても、その言葉の背景や重さ、意味合いは人によって大きく異なります。たとえば、もう死んでしまいたい、生きているのがつらいと感じる時、それは多くの場合、ある種の逃れたい気持ちの現れです。これは、何かをしたくないという消極的な感情であり、まだそこには行動の決意や準備は伴っていません。」
確かにそうですね。この本は、見た目は少しお茶らけた、面白そうな装丁になっていますが、中身はけっこう真面目なことを書いております。自分で言うのも何ですが、ちゃんとした本です。
ということで、今日はここまでにしようと思います。
本日は、竹内今日生先生のリスペクトフルオマージュとして、「ADHD・ASD、発達障害で体力がない人の5つの特徴」というテーマでお話ししました。この動画が評判よければ、またリスペクトフルオマージュ企画をやってみたいと思います。
精神科医の芳賀高浩でございました。
明日も必ず19時にお会いしましょう。
では、また明日。さようなら。