一生で月まで3往復!? 地球をまたぐ長旅の達人TOP5【ずんだもん解説】
ずんだもんのいきもの探検隊
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一生で月まで3往復!? 地球をまたぐ長旅の達人TOP5【ずんだもん解説】
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ずんだもんのいきもの探検隊
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地球の端から端まで、とんでもない距離を旅する生き物たちがいる!
世代をつないでメキシコの森を目指すチョウ、2,000km以上離れた海で生まれる魚、太平洋を横断して往復2万2,511kmを泳いだクジラ、11日間一度も降りずに飛び続けた鳥、そして1年で地球1周半以上を旅する小さな鳥――。
地球をまたぐ長旅の達人たちを、ずんだもん隊長と四国めたんがランキング形式で紹介するのだ!
「旅の長さと大変さ(距離・期間・体の小ささ・途中で休めるか)」を基準にした、このチャンネル独自の編集ランキングです(科学的に決まった順位ではありません)。
みんなは、どの旅にいちばん驚いた? コメントで教えてね!
【チャプター】
00:00 導入・ランキング基準
00:45 第5位 オオカバマダラ
02:31 第4位 ニホンウナギ
04:13 第3位 コククジラ
05:30 第2位 オオソリハシシギ
06:55 第1位 キョクアジサシ
08:46 ランキングまとめ
09:15 エンディング
【内容の範囲】
・第5位 オオカバマダラ(北アメリカ東部の群れ):秋にカナダ南部・アメリカ北部から、メキシコ中部の山の森へ渡ります。越冬地までの直線距離は、カナダ東部のノバスコシアからで約4,400kmあり、遠い所から来る個体では4,000km以上の旅になります。電波発信機で追跡した43匹では、1日に進む距離は平均約61km、最大143km(追い風のとき、Knight et al. 2019)。夏の世代の成虫は2〜5週間ほど、秋に生まれる渡りの世代は8〜9か月ほど生きます(Monarch Watch)。春は冬を越した個体が北へ戻りながらアメリカ南部で卵を産み、子や孫の世代が北の繁殖地へ戻ります(Flockhart et al. 2013)。触角の体内時計の実験は、ひもでつないで飛ばす屋外のフライトシミュレーターで行われ、触角を黒く塗ったチョウは、太陽が見えていても北北西へ飛びました(透明な塗料では南南東、Merlin, Gegear & Reppert 2009)。越冬地の密度は1haあたり約2,110万匹(推定の中央値で、幅があります。Thogmartin et al. 2017)。
・第4位 ニホンウナギ:産卵場はマリアナ諸島の西の海山域で、日本から約2,000km以上離れています(水産庁)。2009年5月、東京大学の白鳳丸が、西マリアナ海嶺の南端の海山域で卵31個を採集しました。卵があったのは約10km四方の範囲だけで、新月の数日前の夜に産まれたものでした(Tsukamoto et al. 2011)。調査は1973年に本格的に始まり、より小さい赤ちゃん(仔魚)をたどって産卵場に近づきました(1973年 台湾の東で約5cm → 1986年 ルソン島の東で約4cm → 1991年 マリアナ諸島の西で約1cm → 2005年 ふ化2日目の約5mm、Tsukamoto 2006)。仔魚(レプトセファルス)は北赤道海流と黒潮に乗って4〜6か月、約3,000km運ばれ、沖合でシラスウナギに変態します(Hsiung et al. 2018)。大人が産卵場まで泳ぐ道すじは、まだ全行程を追跡できていません。環境省レッドリストで絶滅危惧IB類、IUCNレッドリストで絶滅危惧(EN)です。
・第3位 コククジラ:アメリカ側の群れは、夏にベーリング海北部・チュクチ海でエサを食べ、冬にメキシコの入り江で子どもを産みます。往復は約1万6,000kmです(NOAA Fisheries)。2011年にロシアのサハリン沖で発信機を付けた9歳のメス「ヴァルヴァラ」は、太平洋を横断してメキシコのバハ・カリフォルニア沖へ行き、またサハリンへ戻りました。片道10,880km・69.5日、往復22,511km・172日で、発表当時(2015年)、記録に残る中で最も長い哺乳類の渡りでした(Mate et al. 2015)。サハリン沖の個体がどの群れに属するかは、今も研究が続いています。
・第2位 オオソリハシシギ:アラスカで子育てをし、ニュージーランドやオーストラリア東部で冬を越します。2022年10月、生後約5か月の若い鳥(タグ234684)が、アラスカからタスマニア北東のアンソンズ湾まで約13,560kmを、11日と1時間、一度も降りずに飛びました(ギネス世界記録「Longest non-stop migration by a bird」。マックス・プランク鳥類学研究所のデータ)。査読論文では、2007年にメスの「E7」がアラスカからニュージーランドまで11,680kmを8.1日で飛んだ記録があります(Gill et al. 2009)。出発するときは体重の約55%が脂肪で、砂嚢(胃)・肝臓・腎臓・腸が小さくなっています(Piersma & Gill 1998、Piersma et al. 2021)。飛んでいる間は食べることも飲むこともできないと考えられており、出発は低気圧が運ぶ追い風に合わせます(Gill et al. 2009)。飛びながら眠るかどうかは分かっていません。
・第1位 キョクアジサシ:体重は約100g。グリーンランド北東とアイスランドで1.4gの記録計(ジオロケーター:明るさを記録し、日の長さと正午の時刻から位置を推定する)を付け、1年後に回収した記録から、1年の移動距離は平均約70,900km(59,500〜81,600km)と分かりました。南へ向かう途中、北大西洋の中央で平均約25日間とどまってエサを取り、北へ戻る帰りは大西洋をS字に通ります。地球規模の風を利用して、飛ぶ負担を減らしていると考えられています(Egevang et al. 2010)。30年以上生きる個体もいるため(最高齢の記録は34年)、一生の移動距離は240万kmを超える可能性があり、地球〜月(約38万km)のおよそ3往復にあたります(同論文の推計)。「どの動物よりも太陽の光を浴びる」は、よく言われる説明で、測定した値ではありません。
・地図はNatural Earth(パブリックドメイン)の陸地データをもとに描き、経路は論文の図や記述をもとにした模式図です。映像の生き物・背景はAIイラスト、図(寿命の比較、世代リレー、触角の実験、体の脂肪、記録計のしくみなど)は分かりやすくした模式図で、実際の観察映像や測定値のグラフではありません。
【音声・使用素材】
音声:VOICEVOX:ずんだもん、VOICEVOX:四国めたん
立ち絵:東北ずん子・ずんだもんプロジェクト(公式SD)
https://zunko.jp/con_illust.html
BGM:かずち「パステルハウス」、いまたく「絶好の風向き」/OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME)
https://opentracks.com/bgm/detail/1021
https://opentracks.com/bgm/detail/9318
効果音:効果音ラボ
https://soundeffect-lab.info/
地図データ:Made with Natural Earth
https://www.naturalearthdata.com/
生き物・背景はAI生成イラスト、図解・地図の経路は模式図です。実際の観察映像ではありません。効果音は演出で、生き物の実録音ではありません。
【参考資料】
・Monarch Watch「Monarch Life Cycle」(monarchwatch.org)
・Knight S.M. et al. (2019) Biology Letters 15: 20190327. https://doi.org/10.1098/rsbl.2019.0327
・Flockhart D.T.T. et al. (2013) Proceedings of the Royal Society B 280: 20131087. https://doi.org/10.1098/rspb.2013.1087
・Merlin C., Gegear R.J. & Reppert S.M. (2009) Science 325: 1700–1704. https://doi.org/10.1126/science.1176221
・Thogmartin W.E. et al. (2017) PeerJ 5: e3221. https://doi.org/10.7717/peerj.3221
・水産庁「ウナギをめぐる状況と対策について」
・Tsukamoto K. et al. (2011) Nature Communications 2: 179. https://doi.org/10.1038/ncomms1174
・Tsukamoto K. (2006) Nature 439: 929. https://doi.org/10.1038/439929a
・Hsiung K.-M. et al. (2018) PLoS ONE 13: e0195544. https://doi.org/10.1371/journal.pone....
・NOAA Fisheries「Gray Whale」 https://www.fisheries.noaa.gov/specie...
・Mate B.R. et al. (2015) Biology Letters 11: 20150071. https://doi.org/10.1098/rsbl.2015.0071
・ギネス世界記録「Longest non-stop migration by a bird」
・Gill R.E. Jr. et al. (2009) Proceedings of the Royal Society B 276: 447–457. https://doi.org/10.1098/rspb.2008.1142
・Piersma T. & Gill R.E. Jr. (1998) The Auk 115: 196–203. https://pubs.usgs.gov/publication/700...
・Piersma T., Gill R.E. Jr. & Ruthrauff D.R. (2021) Frontiers in Ecology and Evolution 9: 685764. https://doi.org/10.3389/fevo.2021.685764
・Egevang C. et al. (2010) PNAS 107: 2078–2081. https://doi.org/10.1073/pnas.0909493107
・Hatch J.J. (1974) Bird-Banding 45: 269–270(キョクアジサシの最高齢34年の記録)