ガンガンうるさい理由知ってる? MRIの正体
学びたい大人のための大学
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ガンガンうるさい理由知ってる? MRIの正体
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MRIは体を輪切りにして撮影する装置——そう覚えられています。けれど、あの筒の中に写真を撮る仕組みはひとつもありません。レンズも、光を受ける面もない。あるのは電波をやりとりするコイルだけです。ではなぜ断面が出てくるのか。答えは「翻訳」でした。本動画は、装置の原理からfMRIの読み方の限界までを、一次論文の数字だけで大学講義レベルにゼロから掘り下げます。
▼ 目次(チャプター)
0:00 オープニング — あの装置は、写真を1枚も撮っていない
1:55 第1章 あなたの体が、電波を放送している
4:39 第2章 場所を、音の高さに翻訳する — 1ミリ=425.8ヘルツ
7:28 第3章 最初に手に入るのは、絵ではない — ケー空間とフーリエ変換
10:00 第4章 見ているのは、形ではなく時間
12:51 第5章 エックス線の1900億分の1 — では、何が危ないのか
16:10 第6章 106点に、5時間 — 1946年からの30年
19:10 第7章 脳を見る — 小川誠二の1990年
22:13 第8章 活動した場所では、酸素が余る
24:41 第9章 死んだ鮭が、考えごとをした
27:44 第10章 では、ボールド信号は何を見ているのか
30:18 第11章 11.7テスラと、64ミリテスラ
33:24 エンディング — 水に、時間を尋ねる方法
▼ この動画で分かること
・MRIの電波は装置が当てたものではなく、あなたの体が自分で出していること
・磁場をわざと傾けることで、場所という情報が音の高さに翻訳されていること(傾き10ミリテスラ毎メートルで1ミリ=425.8ヘルツ)
・実際に信号を作っている陽子は100万個のうち5個ほどで、MRIは多数決の装置であること
・最初に手に入るのは絵ではなく周波数と位相の表(ケー空間)で、画像は撮ったものではなく解いたものであること
・MRIが見分けているのは物質ではなく「その水がどんな場所に置かれているか」=戻るまでの時間であること
・MRIの電波の粒はエックス線の1900億分の1で、危ないのは電波ではなく磁力と音であること
・あの「ガンガン」という音は、傾斜コイルにかかるローレンツ力でコイルが震える音であること
・機能的MRIの原理(BOLD)を見つけたのは日本人・小川誠二であること
・脳が働いた場所では酸素が足りなくなるどころか余ること(血流+29%に対し酸素消費+5%)
・その微弱な信号を統計で拾うため、補正しなければ死んだ鮭の脳からも「活動」が出ること
▼ 主な出典
・Damadian R. (1971) Tumor detection by nuclear magnetic resonance. Science 171, 1151-1153
・Lauterbur P. C. (1973) Image formation by induced local interactions: examples employing nuclear magnetic resonance. Nature 242, 190-191
・The Nobel Prize in Physics 1952 (Felix Bloch, Edward M. Purcell) / The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2003 (Paul C. Lauterbur, Sir Peter Mansfield)
・Pauling L. & Coryell C. D. (1936) The magnetic properties and structure of hemoglobin, oxyhemoglobin and carbonmonoxyhemoglobin. PNAS 22, 210-216
・Ogawa S., Lee T. M., Kay A. R. & Tank D. W. (1990) Brain magnetic resonance imaging with contrast dependent on blood oxygenation. PNAS 87, 9868-9872
・Fox P. T. & Raichle M. E. (1986) Focal physiological uncoupling of cerebral blood flow and oxidative metabolism during somatosensory stimulation in human subjects. PNAS 83, 1140-1144
・Logothetis N. K. et al. (2001) Neurophysiological investigation of the basis of the fMRI signal. Nature 412, 150-157
・Bennett C. M., Baird A. A., Miller M. B. & Wolford G. L. (2009) Neural correlates of interspecies perspective taking in the post-mortem Atlantic Salmon: an argument for multiple comparisons correction
・Eklund A., Nichols T. E. & Knutsson H. (2016) Cluster failure: why fMRI inferences for spatial extent have inflated false-positive rates. PNAS 113, 7900-7905
・CEA (2024) A world premiere: the living brain imaged with unrivaled clarity thanks to the world's most powerful MRI machine
・CODATA 2022 recommended values (proton gyromagnetic ratio) / OECD Health Statistics (MRI units per million population)
▼ この動画で言い切っていないこと
・MRIがFMラジオと同じ電波を使っているわけではありません。周波数の帯が近いだけです
・MRIに被ばくはありませんが、それは電波についての話です。磁力・発熱・造影剤の危険は別にあります
・ダマディアンが2003年の受賞に含まれなかったことは当時論争になりましたが、誰が正しかったかはここでは判断していません
・ボールド信号が神経の発火そのものを見ているとは言えません。何と対応しているかは、いまも決着していません
・エクルンドらの2016年の論文にはのちに訂正が出ています。「fMRIの研究が無効になった」という話ではありません
・低磁場MRIが高磁場を置き換えるものではありません。用途が違います
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音楽: 'Origami' by Scott Buckley – released under CC-BY 4.0. www.scottbuckley.com.au
画像: Pixabay
#MRI #脳科学 #大人の学び