ノストラダムスの大予言はなぜ日本だけで爆発?「1999年7の月」を作った人たち
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ノストラダムスの大予言はなぜ日本だけで爆発?「1999年7の月」を作った人たち
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「1999年7の月」――この“うわさ”、ホントなのか、ちゃんと調べて検証しました。
「1999年7の月、空から恐怖の大王が降ってくる」。当時18歳だった人も、小学生だった人も、この一行を覚えているはずです。原詩は1555年から書かれたフランス語の四行詩。そこに「人類滅亡」の文字はあるのか、そして「7の月」という日本語はどこから来たのか。原文の綴りと、当時の発行部数の記録からさかのぼります。
▼ ポイント
・ノストラダムスは16世紀フランスの医師で占星術師。その予言詩集を解釈した五島勉『ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月、人類滅亡の日』が1973年11月25日に祥伝社から出て、3か月で公称100万部(朝日新聞1974年3月2日朝刊の広告)、1998年8月時点で209万部・450版。シリーズは1998年の最終解答編まで全10冊になった
・問題の原詩は『予言集』の詩百篇第10巻72番。現存最古の1568年版は「L'an mil neuf cens nonante neuf sept mois/Du ciel viendra vn grand Roy deffraieur…」の四行で、「人類」も「滅亡」も出てこない。四行目の par bon heur は「幸運によって」という意味である
・「7の月」は原文にない言い方。sept mois は「7ヶ月」を指すごく普通のフランス語で、日本語の「7の月」は五島訳の影響で広まった。「恐怖の大王」も最古の版の綴り deffraieur を採るなら「支払い役(世話役)の大王」と読める余地があり、ピーター・ラメジャラーらはそちらを採用している
・熱狂は本の外にも広がった。1974年8月3日には東宝が映画化して配給収入8億8,300万円・その年の邦画興行収入2位・文部省推薦、1991年には東販調べのベストセラー新書ノンフィクション部門の1位から3位をノストラダムス本が占めた。1973年から1999年までに関連書は200冊以上出ている
・⚠️曖昧な原文は、いくらでも後付けできる。五島本人も1999年7月1日付の朝日新聞夕刊では「予言は警告であって人の意志で回避できた」と語り、2000年12月の週刊朝日ではNATO軍の誤爆を挙げて「外れていない」、アメリカ同時多発テロのあとは「2年ずれたがあの事件のことだった」と説明を変えている。日付をずらせる予言は、いつまでも外れない
▼ 正解
「1999年7の月に人類が滅亡する」はウソ。1999年7月に該当する異変の記録はなく、翌8月1日の日本は普通に始まった。そして原詩には、そもそも滅亡と書かれていない。詩百篇第10巻72番の現存最古の1568年版は「1999年、7ヶ月/空から大王が来るだろう/アングーモワの大王を蘇らせるために/マルスの前後に幸運によって支配するため」という四行で、「人類」も「滅亡」も一語もなく、四行目の par bon heur はむしろ「幸運によって」である。「7の月」の原語 sept mois は「7ヶ月」を意味するごく普通の表現で、「恐怖の大王」も最古の綴り deffraieur を採れば「支払い役(世話役)の大王」と読める余地があり、アングーモワはフランスの地方名(フランソワ1世の出身地)にすぎない。この詩は16世紀から19世紀までほとんど無視されており、人類滅亡と結びついたのは1973年11月25日に出た五島勉『ノストラダムスの大予言』からである。その企画も、五島が祥伝社の編集者・伊賀弘三良に持ち込んだ「10人の預言者」案を、編集側がノストラダムス1本に絞ったものだった。本にはこのほか架空の研究者名や創作とみられる詩・史料が混じっていることが後年指摘されている。日付は16世紀のフランスではなく、1973年の日本の新書で作られた。
▼ 判定
「1999年7月に人類滅亡」はウソ、原詩に滅亡の語は 一つも無い
▼ チャプター
0:00 オープニング
1:03 1999年7月 待たされた 一か月
2:59 1995年 予言を 使う側が現れた
3:57 1974年 文部省が 推薦した滅亡
4:52 1973年11月25日 一冊の新書
5:45 企画は もともと「予言者10人」
6:39 原詩に 何と書いてあるか
7:50 400年間 誰も怖がらなかった詩
9:04 判定発表
9:25 同じ仕掛けは 今も動いている
10:01 まとめ・ゆる感想
10:32 おわりに
▼ クレジット
VOICEVOX:ずんだもん/VOICEVOX:四国めたん
立ち絵:坂本アヒル
BGM:「Investigations」Kevin MacLeod(incompetech.com)
Licensed under Creative Commons: By Attribution 4.0/https://creativecommons.org/licenses/...
画像:Pexels(各ライセンスに従って使用。著作者は動画内のクレジットに表示)
▼ 出典
詩百篇第10巻72番 - ノストラダムスの大事典(1568年版の原文と異文一覧・sept mois=「7ヶ月」・deffraieur/d'effrayeurの校訂・Angolmois=アングーモワ・par bon heur=「幸運によって」・16世紀から19世紀までほとんど無視されていたこと・五島訳への批判)/ノストラダムスの大予言 - Wikipedia(1973年11月25日刊・3か月で公称100万部=朝日新聞1974年3月2日朝刊の広告・1998年8月時点で209万部450版・全10冊・各巻の公称発行部数・架空の研究者名や創作史料の指摘・新興宗教への影響の指摘)/五島勉 - Wikipedia(祥伝社の伊賀弘三良が企画をノストラダムス1本に決めた経緯・1999年7月1日付朝日新聞夕刊のコメント・2000年12月15日号週刊朝日・同時多発テロ後の主張・2020年6月16日死去)/ノストラダムス現象 - Wikipedia(1991年の東販ベストセラー上位3位独占・1973年から1999年に関連書200冊以上・パコ・ラバンヌの主張)/ノストラダムスの大予言(映画) - Wikipedia(1974年8月3日公開・配給収入8億8,300万円・邦画興行収入2位・文部省推薦・1974年11月の抗議と約1分45秒のカット)/国立国会図書館 第101回常設展示「終末をむかえて 出版に見るノストラダムスブーム」1999年(第一次ブームの背景=オイルショックと社会不安・支持層は10代中心)/ノストラダムス 予言集(P.ブランダムール校訂 高田勇・伊藤進編訳 岩波書店 1999年/アングーモワの大王=フランソワ1世という読み)
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