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【クリスマスに火星へ降りたはずの小さな着陸機が沈黙し、十一年あまりが過ぎて火星を回る探査機の写真に、花びらを開きかけた姿で見つかった】ビーグル2号——アンテナは最後の一枚の下にあった

真夜中の資料室

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【クリスマスに火星へ降りたはずの小さな着陸機が沈黙し、十一年あまりが過ぎて火星を回る探査機の写真に、花びらを開きかけた姿で見つかった】ビーグル2号——アンテナは最後の一枚の下にあった

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真夜中の資料室
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2003年のクリスマス、イギリスの火星着陸機ビーグル2号は信号を一度も送らないまま消息を絶ち、翌年「失われた」と宣言されました。それから11年あまり、火星を回るNASAの探査機の写真に、着陸予定地のすぐそばで太陽電池パネルを開きかけた機体が写っていたことが分かります。地球と話すためのアンテナは、開ききらなかった最後のパネルの下にありました。 0:00 届かない合図 0:37 小さな火星着陸機 1:14 計画を率いた科学者 1:44 点の絵とブラーの曲 2:14 母船からの切り離し 2:49 クリスマスの沈黙 3:25 決まらない原因 3:55 答えを知らずに 4:19 写真の中の明るい点 5:00 十一年ぶりの発見 5:41 四枚の花びら 6:19 最後の一枚 6:59 あと一枚の距離 ■ この回で扱うこと ・イギリスが中心になって作った、着陸したときの重さ33キロほど・開いても直径2メートルに届かない小さな着陸機と、名前のもとになったダーウィンの船ビーグル号 ・火星に生命のあとが残っていないかを調べるための道具(ロボットの腕と岩を削る小さなドリル、地面にもぐるモグラのような道具、大気のメタンの測定) ・計画を率いたオープン大学の惑星科学者コリン・ピリンジャーと、イギリスにとって初めての惑星探査機 ・色の見本の板として積まれた、色とりどりの丸い点がならぶ手のひらほどの絵と、ロックバンドのブラーが作った呼び出しの合図の曲 ・2003年6月2日、マーズ・エクスプレスの背中に乗ってカザフスタンから打ち上げ、12月19日の切り離し、12月25日の着陸の予定(パラシュートとエアバッグ) ・クリスマスの日に耳をすませたマーズ・オデッセイとイギリスの電波望遠鏡、届かなかった合図、一月から二月まで続いた呼びかけと、2004年2月6日の喪失の宣言 ・2月11日に発表された原因の調査委員会と、ひとつに決められなかった原因 ・2014年5月のピリンジャーの死と、同じ年に亡くなった、計画を支えたほかの二つの大学の教授 ・ドイツに住む元マーズ・エクスプレス運用チームの一員が調べたハイライズの写真(外の人でも撮影を申しこめる仕組み)と、小さな明るい点 ・2013年2月と2014年6月の写真に写っていた候補、写真ごとに変わる光り方、2015年1月16日の発表、着陸予定の場所の中心から5キロほどという位置 ・近くに写っていたパラシュートとうしろのカバー、花びらのように開く4枚の太陽電池パネルと、その下にあったアンテナ ・2016年、レスター大学などによる反射の解析(3枚が開き、最後の1枚が開ききらなかった姿がいちばんよく合う)と、まだ分からない理由 ■ 扱いについて ビーグル2号は壊れて落ちたのではなく、火星に着いて、パネルを途中まで開いていたことが2015年に分かりました。2015年の発表では、4枚のうち1枚から3枚ほどしか開いていないように見えるとされ、2016年の解析では、3枚が開き最後の1枚が開ききらなかった姿がいちばんよく合うとされました。アンテナは、全部のパネルが開かなければふさがれたままになる作りでした。これは設計の上の事実で、分かっていないのは、最後の1枚がなぜ開かなかったかのほうです(ガスが抜けきらないエアバッグ、部品の傷み、配線の切れは、どれも候補のままです)。着陸のあと機体がしばらく動いていた可能性は研究者の考えで、確かめられていません。2015年1月16日は発見が発表された日で、機体はそれより前の2013年2月と2014年6月の写真に写っていました。ピリンジャーが亡くなった日は資料によって一日ずれるため、2014年5月までとしています。ピリンジャーは、ビーグル2号が見つかったことを知らないまま亡くなりました。 ■ 参考文献 ・ESA「Beagle-2 lander found on Mars」(2015年1月16日) https://www.esa.int/About_Us/ESOC/Bea... ・UK Space Agency「UK-led Beagle 2 lander found on Mars」(2015年1月16日) https://www.gov.uk/government/news/uk... ・University of Arizona(HiRISE)「Lost Beagle 2 found on Mars」ScienceDaily 掲載 (2015年1月16日) https://www.sciencedaily.com/releases... ・ESA「UK and ESA announce Beagle 2 inquiry」(2004) https://www.esa.int/Science_Explorati... ・De Montfort University「Scientists solve mystery of Beagle 2 Mars lander」(2016年11月) https://www.dmu.ac.uk/about-dmu/news/... ・J. C. Bridges ほか「Identification of the Beagle 2 lander on Mars」Royal Society Open Science (2017) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles... ・NASA NSSDC「Beagle 2」(2003-022C) https://nssdc.gsfc.nasa.gov/nmc/space... #ビーグル2号 #火星探査 #宇宙の謎 #真夜中の資料室 【画像出典】 ・Beagle 2 at the Space Centre - Leicester (452719107) / Gavin Stewart / CC BY 2.0(レスターの国立宇宙センターに展示された実物大の模型。金色の本体と、花びらのように広がる4枚の太陽電池パネル) ・PIA19107-Beagle2-Found-MRO-20140629 / NASA/JPL/アリゾナ大学/レスター大学 / Public domain(同じ写真から右の白字の名前と左下の目盛り・クレジットを除いて切り出したもの。中央の明るい点がビーグル2号) ・ESP 030908 1915 Mars Search for Beagle 2 Hardware / NASA/JPL-Caltech/UArizona(Mariagata1959 が加工) / Public domain(ハイライズが写したビーグル2号の捜索域。機体は見分けられない広さの火星の地面) ・Mars Express over Tharsis volcanoes / NASA/JPL/ESA, Corby Waste / Public domain(火星の火山地形の上を飛ぶマーズ・エクスプレスの想像図) ・Mars Reconnaissance Orbiter spacecraft model / NASA / Public domain(ハイライズを積んだマーズ・リコネッサンス・オービターのCG) 音声: VOICEVOX(四国めたん / ずんだもん)/ 立ち絵: 坂本アヒル様 / BGM: 甘茶の音楽工房 / 効果音: 効果音ラボ / 背景動画: Pexels