男声合唱とピアノのための組曲「夢の意味」(作曲:上田真樹)/ 信州大学グリークラブ
信州大学グリークラブ
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男声合唱とピアノのための組曲「夢の意味」(作曲:上田真樹)/ 信州大学グリークラブ
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男声合唱とピアノのための組曲「夢の意味」
作詩:林望
作曲:上田真樹
指揮:飯田直人(副学生指揮者)
ピアノ:小林花菜(学生)
演奏:信州大学グリークラブ
0:00 1.朝あけに
4:41 2.川沿いの道にて
7:57 3.歩いて
11:18 4.夢の意味
14:38 5.夢の名残
第62回定期演奏会再生リストはコチラ
• 信州大学グリークラブ第62回定期演奏会
2024年2月12日(月・祝)
信州大学グリークラブ第62回定期演奏会 第2ステージ
於:松本市音楽文化ホールメインホール
<曲紹介(プログラムより抜粋)>
1.朝あけに
小さな頃のあたたかな記憶をおぼえていますか。包まれ、漂い、浮かぶようなピアノからこの曲は始まり、嬰ヘ長調が奏でるハーモニーは、まさに聞く人を夢見心地にさせます。曲の中における主人公は、目を覚ましたばかりの優しいまどろみの中で、いつの日の事かもわからないあたたかな記憶を、切なく抱きしめるように思い出します。この主人公に思いを致せば、彼の人生における「夢の意味」という言葉の内側を知る大きな手掛かりとなるでしょう。
2.川沿いの道にて
第一楽章とはうって変わり、人生の幕開けとなるような、物語のオープニングのような軽快なテンポで始まります。駆け抜ける青春時代を思わせるような、さわやかなメロディーが続きますが、その裏には一つ一つの大切なものを惜しむ切なさが感じられます。「ためいきついたもとおいあのひよ」と、あくまでも振り返ってこの記憶を見つめる主人公ですが、歌に乗せて自身の人生を春夏秋と移ろう季節になぞらえているように私には感じられました。
3.歩いて
人生の岐路におかれたとき、その選択に自信はありますか。軽快に進む第二楽章から一転、苦しく歩みをすすめるピアノに心から悲痛を叫ぶような合唱が重なり、一種の迫るものを感じさせます。季節になぞらえれば、厳しい冬のように感じられます。ここでは懐かしく、あたたかな記憶を思い出すこととは対照的に、困難に激情を隠せぬ思いで、自身で選んだ「人生の道」を振り返ります。迷いや自身を納得させる感情が渦巻きつつも、「これでよかったのだ」と切なく健気に記憶を噛みしめる主人公をソロが歌い上げます。
4.夢の意味
ここまで人生を振り返ってきた主人公ですが、ここで本組曲のタイトルである「夢の意味」の「夢」が生きている人生そのものかもしれないとの示唆が起こります。人生の意味とは何でしょうか。浮かぶような夢の中に生きる我々は、やがてその夢から覚めるように命尽きる。そのときにはじめて人生が夢だったことを知るかもしれない。イ長調の広がりの中に、まるで人生の真理を得たような力強く、熱意こもるハーモニーが展開されます。人生から「覚めた」後にその本質を知るという主人公の切なさを全力で表現してまいります。
5.夢の名残
第四楽章から流れるようにシーンが切り替わり、この楽章は始まります。この「夢の名残」という言葉は第三楽章の最後に初めて出てきます。夢が人生であるとするならば、人生の名残とは何でしょうか。第一楽章で見られた嬰ヘ長調に回帰しつつも、その感覚は優しいまどろみとはいささか異なるものに感じられると思います。命尽きるその瞬間、また死後の世界など、天に浮かぶような感覚や一種の悟りに包まれた楽章と呼べるのではないでしょうか。俗世のものが何だと嘆きつつも、この俗世に少しでも生きながらえたい主人公の心情の吐露が印象的です。この楽章の大きな特徴は、主人公の人間臭さがにじみ出ているところにあると思います。等身大で自身の人生を生きる人間の本当の叫びを歌い上げてまいります。
文 飯田直人