点滴の袋を落としたら、中の液が泡立った|大口病院 連続点滴中毒死事件
深層事件簿
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点滴の袋を落としたら、中の液が泡立った|大口病院 連続点滴中毒死事件
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深層事件簿
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2016年9月20日の未明、横浜市神奈川区の大口病院。
入院していた88歳の男性の容体が、急に悪くなりました。
看護師が、投与中の点滴の袋をベッドに落とします。
すると、袋の中の液が急に泡立ちました。消毒薬が、入っていたのです。
2日前に同じ部屋で亡くなった88歳の男性からも、同じ成分が見つかりました。
ナースステーションに残っていた未使用の点滴袋、およそ50個。
そのうち10個ほどのゴム栓に、細い針で刺した穴がありました。
逮捕されたのは、この病棟の看護師。久保木愛弓。当時31歳です。
この動画では、次の3つを追いかけます。
・なぜ、患者に消毒液を入れたのか
・なぜ、逮捕まで2年近くかかったのか
・そして、なぜ死刑にならなかったのか
3つ目から先に言うと、検察は死刑を求刑しましたが、判決は無期懲役でした。
3人以上を殺した人に完全な責任能力を認めたうえで死刑を避けた判断は、異例とされています。
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【事件の骨格】
■ 発覚(2016年9月)
・現場は横浜市神奈川区大口通の大口病院。1954年開設。4階は終末期の高齢患者が多い病棟
・9月20日未明、八巻信雄さん(88)の容体が急変。看護師が投与中の点滴袋をベッドに落としたところ、
袋の中の輸液が急に泡立ち、偶然に異物混入が発覚した
・2日前の9月18日に同じ部屋で亡くなった西川惣蔵さん(88)の遺体からも同じ成分を検出
・ナースステーションに残っていた未使用の点滴袋およそ50個のうち、10個ほどのゴム栓の
保護フィルムに、細い針で刺した穴が見つかった
・9月23日、神奈川県警が殺人事件と断定し、特別捜査本部を設置
■ 手口
・混ぜられていたのは消毒薬「ヂアミトール」。成分は塩化ベンザルコニウム
・院内のあちこちに置かれていたため、犯人の特定が難航した
・点滴袋のゴム栓の保護フィルムを注射器の針で刺し、そこから消毒液を注入
・「勤務を交代する看護師との引き継ぎの時間帯に混入させていた」と供述
■ 48という数字
・「48人」は被害者の数ではない。事件発覚前の2016年7月から9月までの82日間に
この病院で亡くなった患者の総数
・そのうち44人分は自然死として扱われ、すでに火葬されていた。証拠は残っていない
・立件できたのは3件。2018年12月7日に殺人3件・殺人予備5件(あわせて8人分)で起訴された
■ 起訴された3人
・興津朝江さん(78) 2016年9月16日
・西川惣蔵さん(88) 2016年9月18日
・八巻信雄さん(88) 2016年9月20日
・殺人予備は、9月18〜19日に5人分の点滴袋に消毒液を混ぜた行為
・4人目の死亡者もいたが、別の患者を狙った点滴が結果的に投与された可能性があるとして不起訴
・本人は捜査段階で「入院患者20人ぐらいにやった」と供述している(報道により数字に幅がある)