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風呂も石けんもない時代 古代人はワキのにおいをどうしていたのか?

古代からのたより

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風呂も石けんもない時代 古代人はワキのにおいをどうしていたのか?

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古代からのたより
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満員電車で、つり革を握る腕を、そっと下げる。 出かける前に、シュッとひと吹きしたはずなのに。 では、デオドラントも、石けんも、お風呂もなかった時代。 古代の人たちは、ワキのにおいを、どうしていたのでしょうか。 その手がかりが、北海道の礼文島の浜辺に眠っていました。 約3800年前の、縄文時代の女性の骨です。 奥歯から取り出したDNAで、彼女の耳あかは、 しっとりと湿った型だと分かりました。 耳あかの型とワキのにおいは、たった1つの遺伝子で決まります。 ワキガの手術を受けた日本人79人のうち、 78人が湿った耳あかの型でした。 この動画では、縄文の女性の歯のDNA、 エジプトの医学書の「夏のにおい消し」、 そしてローマ人の石けんなしの洗い方。 3つの手がかりからたどります。 礼文島の船泊遺跡で1998年に見つかった女性の骨と、 右下の奥歯1本から分かった体質、 耳あかとワキのにおいをつなぐ1つの遺伝子と、 においのもとを汗へ出すしくみ、 今の日本人の7〜8割が乾いた耳あかになったわけと、 地域や国による違い、 約3500年前のエジプトの医学書に並ぶ 「夏の体の嫌なにおいを消す薬」、 ドイツの石の棺から見つかった、ローマ時代の油の壺とヘラ、 約1800年前の中国の歴史書と古事記に残る、 水に入って体を洗う記録までを扱います。 礼文島の女性の骨は1人分です。 北海道の縄文人の骨で数えると、湿った型の遺伝子は半分強で、 彼女1人で縄文人全体を語ることはできません。 湿った耳あかの型は、ワキのにおいのもとが出る前提であって、 湿った型の人がみんな強くにおうわけではありません。 においの強さは、汗の量や肌の細菌、洗い方でも変わります。 今の日本人の「7〜8割」は、1962年の耳あかの 見た目による全国調査(約84%)と、 長崎での遺伝子の調べ(65〜69%)を合わせた言い方です。 乾いた型は、あとから大陸から来た人たちが 持ち込んだという説が有力ですが、 骨でこの遺伝子を数えたのは北海道の古い骨だけで、 どの時代の人たちが運んだのかはまだ決められません。 エジプトの処方は、昔の医学書に残る記録の紹介で、 効き目は確かめられていません。玉を当てる場所は 「手足と手足がぶつかる所」と書かれていて、 ワキとは書かれておらず、肌のこすれの薬と読む研究者もいます。 今の体のケアに使えるものではありません。 ローマの洗体セットの年代は、資料によって幅があります。 またローマには浴場もありました。 中国の歴史書の水浴びは葬式のあとの記録、古事記は神話で、 どちらもふだんの洗い方の記録ではありません。 冒頭の職場のにおいの調べは、 デオドラントを作る化粧品会社によるものです。 白丸の古代人の場面や、人物の姿・衣装は想像による演出で、 記録された出来事や時代考証をそのまま再現したものではありません。地図や図は模式図です。 自分のにおいが気になるのは、あなたが不潔だからではありません。 人がずっと昔から付き合ってきた、体のしくみのひとつです。 あなたの耳あかは、乾いた型・しっとり型、ご自分はどちらでしたか? 耳かき派か、綿棒派かも、一緒にコメント欄で教えてください。 ■チャプター 00:00 石けんもお風呂もない時代 ワキのにおいはどうしていた? 01:46 礼文島の浜辺に眠っていた縄文の女性 05:41 耳あかとワキをつなぐ1つのポンプ 09:33 日本人の7〜8割はいつ乾いた? 15:31 夏のにおいを消すエジプトの薬 18:46 油とヘラ そして川 22:42 古代の人は自分のにおいとどう向き合ったのか ■主な参考文献 Kanzawa-Kiriyama, H. ほか(2019, Anthropological Science 127(2))船泊遺跡の縄文人のゲノム https://www.jstage.jst.go.jp/article/... 国立科学博物館(2019)「北海道縄文人全ゲノム完全解読」展示案内 https://www.kahaku.go.jp/event/2019/0... Yoshiura, K. ほか(2006, Nature Genetics 38)耳あかの型を決める ABCC11 遺伝子 https://doi.org/10.1038/ng1733 Martin, A. ほか(2010, Journal of Investigative Dermatology 130)ABCC11 とワキのにおい成分 https://doi.org/10.1038/jid.2009.254 Nakano, M. ほか(2009, BMC Genetics 10)ワキガと湿った耳あかの型 https://doi.org/10.1186/1471-2156-10-42 Matsunaga, E.(1962, Annals of Human Genetics 25)日本人の耳あかの型の全国調査 Super Science High School Consortium(2009, Journal of Human Genetics 54)耳あかの遺伝子の日本地図 https://doi.org/10.1038/jhg.2009.62 Ohashi, J., Naka, I. & Tsuchiya, N.(2011, Molecular Biology and Evolution 28)乾いた型が広がったわけ https://doi.org/10.1093/molbev/msq264 Sato, T. ほか(2009, Journal of Human Genetics 54)北海道の古い骨の ABCC11 https://doi.org/10.1038/jhg.2009.56 Kazuta, H. ほか(2011, Anthropological Science 119(1))北海道の縄文・続縄文の骨の ABCC11 https://www.jstage.jst.go.jp/article/... Cooke, N. P. ほか(2021, Science Advances 7)日本人の祖先の3つの流れ https://doi.org/10.1126/sciadv.abh2419 Rodriguez, S. ほか(2013, Journal of Investigative Dermatology 133)ABCC11 とデオドラントの使用 https://doi.org/10.1038/jid.2012.480 Papyrus Ebers(エーベルス・パピルス)Eb 708〜711(SAE=ライプツィヒのザクセン学術アカデミーのデータベース) https://sae.saw-leipzig.de/de/dokumen... 大英博物館 1868,0105.46 ユルディンゲンの洗体セット(油の壺とヘラ2本) https://www.britishmuseum.org/collect... 『三国志』魏書 東夷伝 倭人条(Wikisource) https://zh.wikisource.org/wiki/三國志/卷30 『古事記』上巻 イザナキの禊(Wikisource) https://zh.wikisource.org/wiki/古事記/上卷 マンダム(2014)「職場の身だしなみとニオイに関する意識調査」 https://www.mandom.co.jp/release/pdf/... 【楽曲提供:株式会社光サプライズ】 #古代人 #人類史 #体臭 #縄文人 #古代ローマ