捨てられ令嬢の涙を回収します。悪役令嬢の小さな相談所が王国の婚約制度を変えました
月灯りロマネスク
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捨てられ令嬢の涙を回収します。悪役令嬢の小さな相談所が王国の婚約制度を変えました
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月灯りロマネスク
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王子に婚約破棄された日。
誰もが、私の人生は終わったと思っていた。
聖女は涙を浮かべ、
王子は勝ち誇り、
貴族たちは扇の陰で笑っていた。
でも私は、泣かなかった。
だって前世の私は、
契約書と請求書に追われていた日本の会社員。
恋が終わったなら、次に見るべきものは涙ではない。
契約書だ。
婚約は、ただの愛の約束ではない。
家同士の契約であり、財産と名誉を伴う正式な手続き。
それなのに、この国では、
婚約を破棄された令嬢だけが悪者にされていた。
嫁入り道具は返されない。
支援金は使い込まれる。
噂だけが女性側に残る。
そして泣いた令嬢から、社交界から消えていく。
ならば、私が作る。
泣き寝入りした令嬢たちが、
もう一度顔を上げるための場所を。
王都の南通りに、小さな相談所を開いた。
最初に来たのは、
婚約者に宝石を返してもらえない伯爵令嬢。
次に来たのは、
支援金を別の女へ流された侯爵令嬢。
さらに、
鉱山権目当てで結婚を迫られた子爵令嬢。
みんな最初は泣いていた。
けれど帰る時には、
契約書を握りしめ、前を向いていた。
やがて相談所の前には、馬車の列ができる。
貴族たちは笑った。
「捨てられた令嬢たちの集まりだ」と。
けれど、その笑いはすぐに震えへ変わる。
なぜなら、彼女たちはもう黙っていなかったから。
宝飾記録。
支援金の帳簿。
婚前契約書。
証言書。
領収書。
泣き声の代わりに証拠を出す令嬢たちが、
王都の常識を少しずつ壊していく。
王室は私を裁こうとした。
けれど公開審問の場に立ったのは、
悪役令嬢一人ではなかった。
奪われた宝石を取り戻した令嬢。
搾取された支援金を取り返した令嬢。
財産目当ての婚約から逃れた令嬢。
彼女たちは、自分の声で証言した。
これは一人の悪女の復讐ではない。
黙らされてきた令嬢たちが、
自分の未来を取り戻すための反撃だった。
王子に捨てられた悪役令嬢リリアーヌは、
泣かされた令嬢たちの涙を回収し、
証拠と書類で王国の婚約制度を変えていく。
誰かに捨てられた日が、
人生の終わりだなんて、誰が決めたの?
これは、悪役令嬢が小さな相談所から王国を動かす、
令嬢救済×契約ざまぁ×制度改革ファンタジー。