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KADOKAWAのビジネスモデル ─日本の読者に本を売る会社から、世界で売れるゲームを作る会社へ|日本企業のビジネスモデル #052

日本企業のDNA | 強さの源泉を辿る物語

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KADOKAWAのビジネスモデル ─日本の読者に本を売る会社から、世界で売れるゲームを作る会社へ|日本企業のビジネスモデル #052

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日本企業のDNA | 強さの源泉を辿る物語
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KADOKAWA(9468)は、紙と電子の書籍・雑誌を書店・取次・電子書店を通じて国内の読者に届ける出版の会社として知られています。2026年3月期も、外部売上高の54.3%は出版・IP創出事業です。ところがセグメント利益では、2023年3月期にゲーム事業(14,218百万円)が出版・IP創出事業(13,155百万円)を初めて上回り、2024年3月期に出版が抜き返したあと、2025年3月期・2026年3月期と続けてゲームが上回りました。始まりは2014年、新社長の就任から27日後に発表したフロム・ソフトウェアの子会社化です。出版が消えたのではなく、稼ぎ頭の順番が入れ替わった。何が、何に入れ替わったのかを追います。 ■ 日本の読者に、本を売る会社(〜2013年) 出版事業は、紙と電子の書籍・雑誌を、書店・取次・電子書店を通じて国内の読者に売るBtoCの商売です。本で生まれた物語をアニメや映像、ゲームへ広げるメディアミックスを得意としてきました。一方、国内の紙の出版市場は1996年をピークに長く縮小が続き、電子書籍はまだ立ち上がり始めた段階でした。ゲームの側では開発費が高騰し、世界で通用する大作を作れる日本のスタジオは限られていました。 ■ 作る側に回る、という賭け(2014年) 2014年4月1日に松原眞樹氏が社長に就任し、その27日後の4月28日、フロム・ソフトウェアの株式80%を親会社トランスコスモスから取得し子会社化すると発表しました(株式譲渡は5月21日付。取得価格は非公表)。フロム・ソフトウェアは従業員230名(2013年10月時点)で、『DARK SOULS』シリーズは海外誌『EDGE』のスタジオランキングで2013年に第8位に選ばれるなど、海外での評価が先行していました。会社は同社を角川ゲームスとともにグループのゲーム事業の中核と位置付けています。集英社・講談社が外部クリエイターへの支援型でゲームに関わるのに対し、KADOKAWAは開発会社そのものを持つ側に回りました。 ■ 本の読者から、世界の遊び手へ(2014〜2022年) 売り物は本と雑誌から、フロム・ソフトウェアが作る大作ゲームへ。国内ではフロム・ソフトウェア自身が発売元となり、海外ではバンダイナムコエンターテインメントが発売元として販売し、フロム側はロイヤリティ収入を得ます。2022年2月25日発売の『ELDEN RING』は、2022年3月末までに全世界累計出荷1,340万本を記録しました。同じころ、ところざわサクラタウンのIP体験型施設はコロナ禍で集客が想定を下回り、2024年3月期に減損2,456百万円を計上しています。 ■ 決算で見る、稼ぎ頭の交代(2022〜2026年3月期) セグメント利益は、2022年3月期 出版17,370百万円・ゲーム5,200百万円、2023年3月期 出版13,155百万円・ゲーム14,218百万円(初めてゲームが上回る)、2024年3月期 出版10,360百万円・ゲーム7,950百万円(本編の反動で出版が抜き返す)、2025年3月期 出版8,372百万円・ゲーム9,538百万円、2026年3月期 出版4,054百万円・ゲーム7,541百万円です。2026年3月期はゲームも前期比20.9%減でしたが、出版が51.6%減(国内の紙書籍・電子書籍の減益と人件費の増加)とそれ以上に縮み、差が開きました。ゲームの一本勝ちではなく、稼ぎ頭の順番が入れ替わった構図です。 ■ 残る問い KADOKAWAは、本と雑誌を日本の読者に売る会社から、世界で売れるゲームを作り、海外はロイヤリティで稼ぐ会社になりました。一人で読む本と、世界の誰かと同時に遊ぶゲーム。生成AIが翻訳・ローカライズ・キャラクター制作までを自動化しつつあるいま、出版とゲーム、どちらの世界展開のスピードが先に変わるのでしょうか。 ▼ 目次 0:00 オープニング 0:22 第一章 日本の読者に、本を売る会社 1:52 第二章 作る側に回る、という賭け 3:52 第三章 本の読者から、世界の遊び手へ 5:58 第四章 決算で見る、稼ぎ頭の交代 9:21 第五章 AI時代の問い ▼ 参考文献 ・KADOKAWA「株式会社フロム・ソフトウェア株式取得(子会社化)のお知らせ」(2014年4月28日)/KADOKAWA「2021年3月期 通期決算を公表」(2021年4月30日)p.2/KADOKAWA「2022年3月期 通期連結業績発表」(2022年5月12日)p.2 ・KADOKAWA「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2024年5月9日)p.2-3・p.17-21/KADOKAWA「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年5月8日)p.2-4・p.18-22/KADOKAWA「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月14日)p.2-3・p.20-22 ・gamebiz「KADOKAWA、4月1日付で松原眞樹常務が社長に就任…佐藤辰男社長は取締役相談役に」/gamebiz「KADOKAWA、フロム・ソフトウェアをトランスコスモスより買収」/4Gamer「KADOKAWA,フロム・ソフトウェアの株式を取得し子会社化へ」 ・gamebiz「フロム・ソフトウェア、2023年3月期の決算は最終益187%増の87億円」/ファミ通.com「KADOKAWA第3四半期決算。『エルデンリング』本編およびDLCが牽引しゲーム事業が大幅伸長」/ITmedia「NEWS『ソニー、KADOKAWAの筆頭株主に 資本業務提携契約を締結』」 ・東洋経済オンライン「『集英社・講談社・小学館が『IP』で儲けるカラクリ』」/Weblio辞書「松原眞樹」 ※ナレーションには VOICEVOX:青山龍星 を使用しています。 ※公開情報に基づく解説であり、特定の投資・就職を推奨するものではありません。 #KADOKAWA #9468 #フロム・ソフトウェア #ELDENRING #エルデンリング #ビジネスモデル #出版 #ゲーム事業 #セグメント #決算 #企業分析 #日本企業のビジネスモデル