【異世界ケルト】過ぎ去りし王国の廃城にて|睡眠・熟睡・リラックス・ファンタジーBGM
Tirawen
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【異世界ケルト】過ぎ去りし王国の廃城にて|睡眠・熟睡・リラックス・ファンタジーBGM
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割れたステンドグラスから月あかりが差しこみ、蔦の巻いた玉座が眠っている、過ぎ去りし王国の廃城のケルト調BGM。睡眠・熟睡・静かに休みたい夜のための幻想音楽です。
このチャンネルの音楽は、ひとつづきの魔法の世界「ティラウェン」を旅する物語としてお届けしています。 旅する少女と、相棒の小さな白い竜――エイリ。二人が立ち寄った場所の景色を、一本ずつ音楽にしていきます。
• Tirawen Fantasy Music
―📕物語―
玉座には、もう誰も座っていない。
大広間の天井は半分落ちていて、そこから伸びた蔦が壁を伝い、段をのぼって、背の高い椅子の肘掛けにまで届いている。玉座へつづく石段には、色のあせた赤い段通がまだ残っていた。 敷石は割れ、その隙間という隙間から草が生えて、白い小さな花と、風が運んできた落ち葉が混ざっている。
崩れた天井の向こうに、満月が出ていた。 光は高い窓のステンドグラスをひとつずつ抜けて、青や藍のかけらになって床に落ちる。昼ならもっと鮮やかなのだろうけれど、夜の色はどれも静かだった。 雨あがりらしく、敷石のくぼみに水が溜まっていて、そこにも月がひとつ落ちている。
少女は壁ぎわの燭台に火を入れた。何本かは芯が残っていて、素直に燃えてくれた。 炎が起きるたび、石の壁に組紐の影が浮かんで、すぐにまた眠る。その明るさの中だけ、埃がゆっくり漂っているのが見えた。
それから石段に腰をおろして、杖を膝の上に横たえた。 先の三日月飾りが、月あかりを受けて、息をするようにかすかに光る。
エイリは、少女の少し上に浮いていた。 白い鱗が月の色を吸って青白く透け、翼のあいだを星の粒のような光がいくつか横切っていく。 二人とも、同じほうを見ていた。
高いところには、色のあせたタペストリーが何枚も下がっている。糸はほつれ、模様はもう半分も読めない。竪琴らしきもの、麦の束らしきもの、それから、いくつもの組紐。ここで祝われていたことの名前は、どこにも書かれていない。
風が通ると、蔦の葉がいっせいに裏返る。それが、この広間でいちばん大きな音だった。
いつか誰かが、この敷石を磨いた。誰かが扉を閉めた。最後の夜がいつだったかを覚えている者は、もういない。 それでも石段の三段目だけ縁がまるく擦り減っていて、そこを何千回も踏んだ足のことだけが残っている。
月はゆっくりと動いて、玉座のほうへ渡っていった。 蔦の巻きついた肘掛けをひとなでして、背もたれの高いところへのぼって、それから壁の暗がりへ入っていく。
蝋燭が一本、音もなく短くなる。 少女は玉座には近づかなかった。
滅びた、という言葉は、この静けさには重すぎる気がした。 ここにあるのは、ただ、終わったあとも続いている時間だった。
―🎵こんなときに―
・眠る前のひととき、灯りを落とした部屋で
・深く休みたい夜のおともに
・静かに考えごとをほどきたいときに
・横になって、何もしないための時間に
―📜プレイリスト―
00:00 Track1
05:25 Track2
07:48 Track3
10:38 Track4
13:25 Track5
15:22 Track6
17:47 Track7
20:36 Track8
23:11 Track9
26:21 Track10
28:57 Track11
33:41 Track12
37:59 Track13
42:19 Track14
46:07 Track15
48:43 Track16
51:27 Track17
54:21 Repeat
―📣このチャンネルについて―
ティラウェンという、ひとつづきの世界を旅していくケルトBGMチャンネルです。 灯りともる路地裏、星降る湖畔、古い水車小屋――動画がひとつ増えるごとに、この世界の地図が少しずつ広がっていきます。
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