冷山(れいざん)|八ヶ岳の知られざる山を訪ねて Reizan — In Search of a Hidden Mountain in the Yatsugatake Range
ぼっち登山日和
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冷山(れいざん)|八ヶ岳の知られざる山を訪ねて Reizan — In Search of a Hidden Mountain in the Yatsugatake Range
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ぼっち登山日和
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大河原峠から蓼科山へ向かう道で、一枚の看板に足を止めました。
「冷山国有林」
見慣れない文字が、針葉樹の暗がりのなかに静かに立っていました。
冷山。
読み方さえわかりません。「れいざん」か「ひやしやま」か...あるいは「つめたやま」か。
声に出してみると、北八ヶ岳の空気にすこし似た、涼しくて奥行きのある響きがしました。
北八ヶ岳はたいがい歩いた、と思っていました。
白駒池の苔むした森も、縞枯れの斜面も、雪の坪庭も。
麦草峠から茶臼山へ抜ける静かな道も、高見石から見下ろす池の煌めきも。
足裏に刻んできた場所はいくつもあるはずでした。
それなのに、この名前を知らなかったのです。
山を歩くとは、地図の上をなぞることではないのかもしれません。
歩いた道の両脇には、踏まなかった森がいつまでも広がっていて、通り過ぎた看板のうしろには、まだ名前も知らない稜線が眠っています。
知っているつもりの場所が、ある朝ふと、まったく別の顔を見せることがあります。
帰宅してから調べると、冷山は麦草峠のほど近く、あまり歩かれていないグレーピークだとわかりました。
登山道の主流からは外れた、地味で静かな山。
それでも誰かがそこに名をつけ、看板を立て、国有林として管理してきました。
人の目の届かないところにも、ちゃんと名前がありました。
現在は「れいざん」と呼ぶのが主流になっており、以前は「つめたやま」と呼ばれていたようです。
では、なぜ「冷たい山」なのか。
冷山国有林は麦草峠から渋の湯のあたりまでを貫く広い区域で、山麓には渋御殿湯をはじめとする鉱泉・温泉が点在しています。
温泉法では二十五度未満の湧水を「冷鉱泉」と呼び、渋の湯にも冷泉が湧いています。
「冷山=冷鉱泉の山」という結びつきは、この土地に暮らす人々にとって自然な解釈だったのでしょう。
さらにもう一つ、八ヶ岳一帯は古くから黒曜石の産地として知られており、「冷たい石の山」という意味が重なっているという見方もあります。
冷鉱泉と黒曜石。
どちらも、この山が「冷たい」と呼ばれてきた理由として、地質の深いところで繋がっているように思えます。
調べるほどに、その山の名前は、むしろ謎めいていきました。
行ってみよう。
そう思って、私は冷山へ向かいました。
撮影日:2026年8月30日(日)
[追記]
9月21日(月)のぼっち登山日和はお休みします。
皆さまも楽しいシルバーウイークをお過ごしください。
I’ll be taking a break from uploading a video on September 21.
I hope you all have a wonderful holiday weekend!