バターたっぷりのブルターニュの菓子ガトーブルトン | Gâteau Breton
パリのパティシエ 吉田守秀 | Atelier MORIHIDE YOSHIDA
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バターたっぷりのブルターニュの菓子ガトーブルトン | Gâteau Breton
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パリのパティシエ 吉田守秀 | Atelier MORIHIDE YOSHIDA
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今回作るのは、私が大好きなフランス伝統菓子のひとつ、ガトー・ブルトンです。
ブルターニュ地方を代表するこのお菓子は、一見するととても素朴です。しかし、その一口にはこの地方の歴史や文化が詰まっています。
ブルターニュは良質なバターの産地として知られています。特に有塩バターをふんだんに使ったガトー・ブルトンは、豊かな風味と力強い味わいで、今も多くの人に愛されています。
このお菓子の歴史を辿ると、19世紀のブルターニュに行き着きます。1867年に開催されたパリ万国博覧会では、ロリアン近郊の菓子職人ジャン・クリュセールが出品した「ガトー・ブルトン」が高い評価を受けたと伝えられています。当時、地方の名産菓子がパリで認められることは大きな出来事でした。この出来事をきっかけに、ガトー・ブルトンの名はフランス中へ広まっていったと言われています。
また、このお菓子は保存性が高く、かつてはブルターニュの船乗りたちが長い航海へ持って行ったとも言われています。シンプルな材料で作られているにもかかわらず、時間が経ってもおいしさが続く。そんな実用性も、このお菓子が長く愛されてきた理由のひとつです。
私自身、フランスで仕事をする中で、こうした地方菓子の背景や歴史に触れるたびに、お菓子は単なるレシピではなく、その土地の文化そのものだと感じます。
今回は伝統的な製法を大切にしながら、私なりのガトー・ブルトンを作ります。
今回はアプリコットのコンポテをサンドし、夏らしい味わいに仕上げました。
フランスの地方菓子の魅力を楽しんでいただけたら嬉しいです。
ガトーブルトン φ15cm x 2台分
有塩バター 400 g
粉糖 240 g
卵黄 75 g
ラム酒 7 g
全粒粉 120 g
薄力粉 280 g
※無塩バターを使う時はゲランドの塩を5g入れてください。
オーブン 160°c 50~60min
杏のコンポテ
杏 150 g
レモン果汁 15 g
グラニュー糖 35 g
日本では「ガレット・ブルトンヌ」という名前のお菓子が非常に有名です。
私自身も日本で修業していた頃から当たり前のように使っていた名称ですが、フランスで仕事をするようになって日本で認識されている「ガレット・ブルトンヌ」というお菓子の概念が、実はフランスでは存在しないということです。
もちろんブルターニュには数多くのガレットがあります。しかしフランス人が一般的に「ガレット」と言う場合、それは特定の焼き菓子の名称ではなく、「平たく焼いたもの」を意味する広い言葉です。
一方、日本でガレット・ブルトンヌと言えば、多くの人が厚みのある丸いバターサブレを思い浮かべます。
つまり日本では、一つのスタイルのお菓子として名前と形が明確に定義されているのです。
そのためフランス人に日本のガレット・ブルトンヌを見せると、
「ガトー・ブルトンを小さくしたもの?」
あるいは
「パレ・ブルトンの一種かな?」
という反応になります。
フランスに存在しないフランス菓子が日本にある代表的存在。
少し不思議な話ですが、これは日本のパティスリー文化がフランス菓子を深く研究し、日本独自の解釈とともに発展させてきた結果なのだと思います。
本場を忠実に再現するだけでなく、独自に整理し、名前を定着させ、一つのカテゴリーとして育てていく。
日本の菓子文化の面白さがよく表れている例かもしれません。
吉田守秀
著書【Gâeaux】
フランス語(オリジナル)
翻訳本は 日本語 英語 イタリア語 があります。
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