クラスでいちばん太っていた子は、その後どうなったのか
世間の検算
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クラスでいちばん太っていた子は、その後どうなったのか
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クラスでいちばん太っていた子は、その後どうなったのか。
デンマークのコペンハーゲンには、小学生の身長と体重を毎年カードに書き残した記録があります。1930〜1976年に生まれた27万6千人分です。この動画では、そのカードを大人の病院の記録とつないだ研究と、太っていた子の「その後」を追った世界の研究を見ていきます。
13歳で重かった男子ほど、大人になって心臓の病気になる人は多くいました。けれど、太っていた子の半分ほどは、10代のうちに太っていなくなっていました。その後を分けていたのは、あの日の数字より、そのあとも太ったままだったかどうかでした。
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■ タイムライン
0:00 冒頭
0:47 第1章 27万6千人の健診カード
2:07 第2章 太ったまま、だったのか
3:03 第3章 13歳までに戻った子
4:45 第4章 お金と結婚
6:02 結末
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■ 概要
コペンハーゲンの小学校では、毎年7〜13歳の身長と体重をカードに書き残していました。研究チームがこの27万6千人分を国の病院の記録とつなぐと、13歳で重かった男子ほど、大人になって心臓の病気になる人が多くいました。平均より11キロほど重い13歳の男子では、60歳までに病気になる人が100人に12人ほどから16人ほどに増える計算です。女子でも同じ向きでしたが差は小さく、7歳では、はっきりしませんでした。このカードに大人になってからの体重は書かれていません。
イギリスのヨーク大学のまとめ(15の追跡・20万人)では、太っていた10代のうち大人になっても太っていたのは約8割でした。けれど7〜11歳で太っていた子が10代でも太っていたのは半分ほどで、大人で太っている人の約7割は、子どものころ太っていませんでした。
7歳で太っていた男子(約20人に1人)のうち、13歳までに標準の体重に戻った男子は、30〜60歳で2型の糖尿病になる危険が、一度も太っていなかった男子とほとんど変わりませんでした。大人まで太ったままだった男子の危険は約4倍でした。7歳でも13歳でも太っていて、大人で戻った男子は、危険が少し高く残りました。3か国4つの追跡(6,328人・平均23年)でも、子どもの肥満が大人で解消した人の糖尿病・高血圧の危険は、ずっと肥満でなかった人とほとんど同じでした。
アメリカの若者約1万人を7年追った研究では、太っていた女性は世帯の年収がおよそ6,700ドル少なく、結婚している人も少なくなっていました。男性で差が出たのは結婚だけです。1970年生まれの英国の子どもを10歳と30歳で比べた研究では、10歳だけ太っていた人は、30歳の収入・学歴・パートナー・心の不調に差がなく、不利が残っていたのは30歳まで太ったままだった女性でした。
前作:クラスでいちばん運動のできた子は、その後どうなったのか
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3作前:クラスでいちばん頭のよかった子は、その後どうなったのか
• クラスでいちばん頭のよかった子は、その後どうなったのか
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■ 使った研究・記録
・Baker, J. L., Olsen, L. W. & Sørensen, T. I. A. (2007) NEJM 357:2329-2337(学童期のBMIと大人の冠動脈疾患、コペンハーゲン)
→ 27万6,835人、1930〜76年生まれ、13歳男子の危険の比(BMIが標準偏差1つ重いごと)1.17・7歳男子1.06・13歳女子1.12・7歳女子1.02(はっきりしない)
・Simmonds, M. ほか (2016) Obesity Reviews 17(2):95-107(子どもの肥満と大人の肥満、15の追跡のまとめ。ヨーク大学)
→ 20万777人、肥満の10代の79%が大人も肥満(30歳超では70%)、肥満の7〜11歳の55%が10代も肥満、大人の肥満の約70%は子どものころ肥満でなかった
・Bjerregaard, L. G. ほか (2018) NEJM 378:1302-1312(子どもの過体重の解消と大人の2型糖尿病、コペンハーゲン大学)
→ 男子6万2,565人、13歳までに過体重が解消0.96・7歳も13歳も太り大人で解消1.47・大人まで持続4.14
・Juonala, M. ほか (2011) NEJM 365:1876-1885(子どもの肥満と大人の心血管リスク、トゥルク大学ほか)
→ 4つの追跡6,328人・平均23年、ずっと肥満の人は糖尿病の危険の比5.4、子どもだけ肥満の人はずっと標準の人と同程度
・Gortmaker, S. L. ほか (1993) NEJM 329(14):1008-1012(10代の過体重と大人の社会・経済、ハーバード公衆衛生大学院ほか)
→ 1981年に16〜24歳の全国代表約1万人を7年追跡、女性の世帯年収 年6,710ドル少ない・結婚20%低い・学校0.3年短い、男性は結婚11%低い
・Viner, R. M. & Cole, T. J. (2005) BMJ 330:1354(子どもの肥満と30歳の暮らし、ロンドン大学)
→ 1970年生まれ8,490人、10歳で肥満4.3%、そのうち約52%が30歳でも肥満、30歳まで肥満だった女性の「働いたことがない」1.9・「パートナーなし」2.0(オッズ比)
・文部科学省「令和6年度学校保健統計調査(確定値)」
→ 11歳男子の肥満傾向児 13.00%(肥満度+20%以上)
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■ 注意書き
・冒頭と結末に出てくる身体測定の場面は、記録をもとにした再現です。特定の子どもを描いたものではありません。
・コペンハーゲンの健診カード(Baker 2007)には、大人になってからの体重がありません。「太った大人になったから心臓病が増えた」とは言えません。
・「1.17」などの数字は、BMIが標準偏差1つ重いごとの「危険の比」で、「太った子は1.17倍」という意味ではありません(13歳男子で約5.6キロ重いごと)。動画で言った「100人に12人から16人」は、論文の推定値(11.7%→15.5%)の概算です。
・糖尿病の研究(Bjerregaard 2018)は男子だけの記録です。女子は含まれていません。
危険の比は「一度も過体重でなかった男子」を1としたものです。
・3か国4つの追跡(Juonala 2011)の「肥満でなくなった」は、BMIが30未満です。過体重(25〜29.9)を含み、「標準体重になった」という意味ではありません。
・ヨーク大学のまとめの8割は「太っていた10代」の数字です。7〜11歳で太っていた子が10代でも太っていたのは半分ほどで、「5人に1人は太らない」とは言えません。
・アメリカの研究(Gortmaker 1993)で収入・学歴に差が出たのは女性だけです。男性は結婚だけでした。「偏見が原因」とは断定できず、研究者は「周りの見方が差を生んだのかもしれない」と書いています。論文の20%・11%は単位が抄録から分からず、図には出していますが読み上げていません。
・日本の「肥満傾向」は、標準体重より2割以上重い子の区分で、英語のobeseと同じものではありません。
・いずれも観察した記録で、「痩せたから良くなった」という因果は言えません。
#肥満 #コペンハーゲン #世間の検算