なぜ女性は、別れた相手を振り返らないのか【社会心理学】
好意の解剖学【データで語る恋愛】
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なぜ女性は、別れた相手を振り返らないのか【社会心理学】
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好意の解剖学【データで語る恋愛】
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00:00 - 1. 導入:別れて半年、変わったアイコン
01:03 - 2. 男性は、本当に引きずっているのか
03:04 - 3. では、何が違ったのか
04:46 - 4. 男性は、誰に話しているのか
07:00 - 5. 別れた日に、何を失っているのか
08:39 - 6. 結び
別れたあと、女性は早く切り替え、男性は長く引きずる、とよく言われます。
ところが、96か国の5,705人に別れの痛みを聞いた調査では、痛みが高かったのは女性のほうでした。
この動画では、「男は引きずる」の根拠になった調査、別れる前から同じ人を追いかけたドイツの調査、子どもの頃に誰に悩みを話したかの調査、相談相手を聞いたアメリカと日本の調査を使って、男女で何が同じで、何が違っていたのかを順に確かめます。答えは、痛みの大きさとは別のところにありました。
・男性は、本当に引きずっているのか
・では、何が違ったのか
・男性は、誰に話しているのか
・別れた日に、何を失っているのか
▼数字の但し書き
・冒頭と結びの彼(別れて半年の人)は、説明のために置いた人物です。実在の人物ではありません。
・この動画は、「女性は冷たい」「男性は立ち直れない」と言うものではありません。どちらの別れ方が良い・悪いと決めるものでもありません。
・題の「振り返らない」は、外から見えるようすの言葉です。気持ちが残っているかどうかを測った言葉ではありません。
(96か国の調査)
・6.84と6.58は、Morris ほか(2015)によります。ネットで募った96か国の5,705人に、いちばんつらかった別れを思い出してもらい、心の痛みを0(なし)から10(耐えがたい)で答えてもらった値です。
・差は統計的にははっきりしていますが、大きさはごく小さいものです(効果量 d=0.10)。「女性のほうがずっと痛い」とは言えません。
(アメリカの学生の調査)
・1,735人、6.98と7.30、6.11と6.08、610人、35人と15人は、Morris & Reiber(2011)によります。アメリカ北東部の州立大学の学生で、女性が多く(1,295人)、別れたあとに思い出して答えています。
・「いまも続いている」は、自由に書く欄に書いた人の中の数です。全員に聞いた数ではありません。
(ドイツの調査)
・1,530人(男性713人・女性817人)は、Wahring ほか(2024)によります。ドイツの家族パネル調査(pairfam)で、別れを経験した16〜49歳の人を、別れの前の年とあとの年で比べたものです。およそ88%が結婚していない人です。
・満足・落ち込み・孤独の変わり方に男女差がなかったこと、「切り出した」「一人でいることへの満足」「パートナーがほしい」「恋人のほかに気持ちを話す相手がいない」で差があったことは、この論文の結果です。差はいずれも小さいものです。
・年に1回の調査なので、別れた直後の数週間の違いは拾えていません。
・「恋人のほかに話す相手がいないのは、女性のおよそ三倍」は、年齢などをそろえた上での確率の比(オッズ比 2.87)です。全体ではおよそ9割の人に、そういう相手がいます。
・論文の著者は、話す相手の有無だけでは、男女の差を説明しきれなかった、と書いています。この動画の第5章は、その結果を手がかりにした見立てです。
(アメリカで六年追った調査)
・2,262人は、Rosenfeld(2018)によります。結婚していない人の別れでは、切り出す側に男女差がなかった、という結果です。離婚は妻から切り出した割合が約69%でした。どちらが切り出すかは、国や調査で結果が割れています。
(子どもの調査)
・「のべ2,000人近く」は、Rose ほか(2012)によります。アメリカの小学生から高校生に、「悩みを友達に話したら、どう感じると思うか」を聞いたものです。実際に話したかどうかではなく、予想を聞いています。
・322人は、Garside & Klimes-Dougan(2002)によります。アメリカの若い大人に、子どもの頃の親の反応を思い出してもらったものです。親が実際にそうしたかまでは分かりません。
(相談相手の調査)
・49%と20%は、Umberson ほか(1996)によります。1986年にアメリカの24〜96歳の3,617人に聞いた調査で、「いちばんの相談相手」に配偶者を挙げた割合です。恋人は含まれていません。既婚者だけの割合かどうかは、本文に書かれていません。四十年前のアメリカの数字です。
・9.8%と5.8%、14.6%と7.7%は、内閣府「人々のつながりに関する基礎調査」(令和6年12月、有効回答 10,876件)によります。「不安や悩みを相談する人がいない」と答えた割合で、相談相手が恋人かどうかは聞いていません。
・「100人のうち、およそ10人」は、この割合を100人に置きかえた言い方です。
(第5章)
・「話す相手を恋人に集めた人は、別れた日に聞き手も失う」は、上の調査を重ねたこの動画の見立てです。話す相手の有無が、別れたあとの見え方の男女差を生んでいる、と確かめた研究はまだありません。
・「情緒的サポート」は、Wahring ほか(2024)が使っている言葉(emotional support)の訳です。
▼参考文献
・Morris, C. E., Reiber, C., & Roman, E. (2015). Quantitative sex differences in response to the dissolution of a romantic relationship. Evolutionary Behavioral Sciences, 9(4), 270–282.
・Morris, C. E., & Reiber, C. (2011). Frequency, intensity and expression of post-relationship grief. EvoS Journal: The Journal of the Evolutionary Studies Consortium, 3(1), 1–11.
・Wahring, I. V., et al. (2024). [題名を原典で確かめる]. Psychology and Aging.
・Rosenfeld, M. J. (2018). Who wants the breakup? Gender and breakup in heterosexual couples. In D. F. Alwin, D. H. Felmlee, & D. A. Kreager (Eds.), Social networks and the life course (pp. 221–243). Springer.
・Rose, A. J., Schwartz-Mette, R. A., Smith, R. L., Asher, S. R., Swenson, L. P., Carlson, W., & Waller, E. M. (2012). How girls and boys expect disclosure about problems will make them feel: Implications for friendships. Child Development, 83(3), 844–863.
・Garside, R. B., & Klimes-Dougan, B. (2002). Socialization of discrete negative emotions: Gender differences and links with psychological distress. Sex Roles, 47(3–4), 115–128.
・Umberson, D., Chen, M. D., House, J. S., Hopkins, K., & Slaten, E. (1996). The effect of social relationships on psychological well-being: Are men and women really so different? American Sociological Review, 61(5), 837–857.
・内閣府(2025). 人々のつながりに関する基礎調査(令和6年)結果の概要・考察資料 表1.
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