社長は5年後を見て、課長は今日を見ている|どちらも正しいのに、なぜ改革は止まるのか【第5回】
金沢機工のITコーディネータ
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社長は5年後を見て、課長は今日を見ている|どちらも正しいのに、なぜ改革は止まるのか【第5回】
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社長、DX推進やAI活用に振り回されるのは、もうやめませんか!【第5回】会社を守るために、会社を変える|「継続する力」と「変える力」がぶつかるとき
「今日の納期。今日のクレーム。今日の欠員。今は、改革どころではありません」——現場の管理職から、こう言われたことはないでしょうか。経営者にはブレーキに見えるかもしれません。でも、それは違います。どちらも、会社を守っています。どちらかが間違っているのではありません。
社長は、5年後を見ています。「このままでは、人が足りなくなる。今、変えておかないと、将来、困る」——明日の会社を守っています。一方、課長は、今日を見ています。「改革も大事なのは分かります。でも、今日の仕事を止めるわけにはいきません」——今日の会社を守っています。
どちらが、正しいでしょうか。どちらも、正しいのです。
■本パートの内容
・会社の中で起きているのは、対立ではなく構造の問題
経営者が守ろうとする「未来を守る力」と、管理職・現場が守ろうとする「現在を守る力」。この二つの力が、会社の中でぶつかります。これは、人と人の対立ではありません。会社が抱える構造の話です。「社員が変化を嫌っている」「管理職が抵抗している」——そこで思考を止めてしまうと、本質を見誤ります。
・その管理職を、育ててきたのは会社自身
会社は、長年こう言い続けてきました。「勝手なことをするな」「手順を守れ」「ミスを出すな」「納期を絶対守れ」。管理職は、その通りに、真面目に働いてきました。そして、その働きぶりは、高く評価されてきました。会社の言う通りに、誠実に。それが、正しい仕事だったのです。会社が、そう育ててきました。
・昨日「守れ」、今日「変えろ」
そこへ突然、「今までのやり方に、こだわるな」「失敗を恐れず、どんどん挑戦しろ」と言われる。戸惑うのは、当然ではないでしょうか。これは、意識の問題ではありません。構造の問題です。
・この矛盾は、現場だけでは解けない
守るのか、変えるのか。現場には、それを決める権限がありません。だからこそ、ここに経営の役割があります。何を守るのか。何を変えるのか。何は、今まで通りではもういけないのか。どこまで負荷が増えることを、会社として認めるのか。現場には決められないことを、経営が引き受けて整理していく必要があります。
・線を引くのは、経営の仕事
守るものと、変えるものを分ける。例えば、経営がこう言えるかどうかです。
【守る】お客様への品質は、絶対に守ります。
【変える】ただし、社内の承認方法は変えて構いません。
【認める】この3か月は、効率が落ちることも会社が認めます。
ここまで言えると、現場は迷わず動けます。
・誰かが悪い、ではない
会社を変えるのは、そもそも簡単な仕事ではありません。だからこそ、意識的な仕組みが必要になります。方向を経営が示す、なぜ変わるかを共有する、誰が動かすか(担い手)を決める、時間を渡す、権限を渡す——これが、変革推進体制です。
・一番覚えておいていただきたいこと
「今日を守る力」と、「明日のために、今日を変える力」。この二つを、会社は同時に求められます。だから、難しいのです。
■この動画を見るメリット
・改革に慎重な管理職や現場を「抵抗勢力」ではなく「今日の会社を守る人」として捉え直す視点が得られます
・経営者と現場の対立を、個人の意識の問題ではなく、会社が構造的に抱える「未来を守る力」と「現在を守る力」のせめぎ合いとして理解できます
・「守る」「変える」「認める」という3つの型で、経営が現場に明確な線引きを示す具体的な進め方を持ち帰れます
・改革が進まないときに、誰か(社員・管理職・担当者・経営者)を責めるのではなく、会社としてどう支えるかを考える視点を得られます
・「変革推進体制」というシリーズの中心概念が、方向・共有・担い手・時間・権限という具体的な要素で構成されていることを理解できます
■こんな方におすすめです
・改革を進めようとすると、管理職から「今は無理です」と言われてしまう経営者の方
・現場が改革に慎重な理由を、単なる抵抗ではなく構造的な問題として理解したい方
・長年「ルールを守れ」「ミスを出すな」と言ってきた社員に、急に「挑戦しろ」と伝えることに難しさを感じている方
・改革のたびに、何を守り、何を変えていいのか、現場から線引きの基準を求められて困っている方
・経営と現場、双方の立場を否定せずに変革を進めたいと考えている中小企業の経営者・管理職の方
■話者プロフィール
吉田 序彦(よしだ じょひこ)
金沢機工株式会社
・経済産業省推進資格 ITコーディネータ(石川県情報化支援協会会員/ITコーディネータ富山会員)
・ITストラテジスト(日本ITストラテジスト協会会員)
中小企業のDX推進・生成AI活用の現場に携わる中で見えてきた「なぜ、いろいろ取り組んでいるのに会社は変わらないのか」という共通の課題を、経営者の皆様に向けて分かりやすく発信しています。
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【「社長、DX推進やAI活用に振り回されるのは、もうやめませんか!」全25パート構成】
パート1 本当に考えたいのは、DXでもAIでもありません~このシリーズで経営者の皆さんと一緒に考えたいこと~
パート2 いろいろ取り組んでいるのに、なぜ会社は変わらないのか~4つのケースから考えてみる~
パート3 「変革推進体制」とは何なのか~特別なDX部門を作ることとは少し違います~
パート4 会社は、なぜ「変わらない」ようにできているのか~会社を支えてきた「継続する力」~
パート5 会社を守るために、会社を変える~「継続する力」と「変える力」がぶつかるとき~(本動画)
パート6 現場は本当に「抵抗勢力」なのでしょうか~「変えたくない人」ではなく、「守らなければならない人」かもしれません~
パート7 社長、御社はどこへ行きたいのでしょうか~DXでもAIでもなく、「会社の姿」を考える~
パート8 「会社のあるべき姿」を、どう考えればいいのでしょう~経営者に考えていただきたい5つの問い~
パート9 社長は「結論」だけを話していないでしょうか~社長には必然、社員には突然~
パート10 社員全員の「腹落ち」を待つ必要はありません~共通理解と全員一致は、同じではありません~
パート11 経営方針を「自分の仕事」まで下ろせていますか~管理職は、変革の翻訳者です~
パート12 「みんなでやりましょう」では、なぜ進まないのでしょう~変革を前へ動かす「実務責任者」~
パート13 責任者を決めても、それだけでは進みません~時間・予算・権限、そして「何をやめるか」~
パート14 AI利用率が上がれば、会社は良くなったのでしょうか~KPI・評価・データ・セキュリティを考える~
パート15 御社は今、どの状態に近いでしょうか~8つの「不完全な変革推進体制」~
パート16 社長には明確。でも、現場が動かない~トップ先行型の会社をどう立て直すか~
パート17 みんな賛成なのに、なぜ何も進まないのでしょう~実行責任不在型の会社~
パート18 社長と責任者だけで、改革を進めていないでしょうか~現場から「押し付け」に見える改革~
パート19 現場は動きたい。でもトップの方向がまだ明確ではない~ボトムアップ型から経営へつなぐ~
パート20 できる人一人に、全部集めていないでしょうか~「孤独なDX担当者」をつくらない~
パート21 管理職が真面目に仕事を守るほど、改革が止まる?~日常業務と変革の板挟みをどう解くか~
パート22 「また改革ですか」と言われる会社~変革疲労から、どう信頼を取り戻すか~
パート23 体制はあるのに、なぜ進まないのでしょう~名目上の体制と、実際に動ける体制は違います~
パート24 全部そろっていなくても、変革は始められます~一つの困り事から「変えられる会社」を育てる~
パート25 最後に会社へ残すべきものは、「変える力」です~DXの前に、AIの前に、「会社を変えられる会社」をつくる~
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■関連キーワード
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■次回予告
次回パート6「現場は本当に『抵抗勢力』なのでしょうか」では、改革に慎重な人を「変えたくない人」ではなく「守らなければならない人」として捉え直し、この考え方を現場へ具体的に当てはめて考えていきます。続きが気になる方は、ぜひチャンネル登録をお願いいたします。
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