研究開発への公的投資をどう設計するか 【海外シンクタンク記事分析】
政策起業家プラットフォーム PEP
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研究開発への公的投資をどう設計するか 【海外シンクタンク記事分析】
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研究開発への公的投資は、どのように社会の利益につながるのでしょうか。研究成果が企業や行政で使われるまでには時間がかかり、その便益も資金を受け取った組織の外へ広がります。今回のエピソードでは、科学への投資のリターンをどう捉えるか、どの成熟度の研究を支えるか、公的助成がどのような追加的な変化を生むかという、3つの問いを取り上げます。
米国科学者連盟による研究投資の評価に関する報告書と、英国のイノベーション支援を研究の成熟度、資金の追加的な効果から分析した2本の報告書をもとに議論します。研究者が知識を生み出すことに加えて、企業や公共機関がその知識を理解して使えるようになること、資金制度が新しい挑戦を支えることにも目を向けます。予算の規模とともに、何を成果として評価し、どこに資金を配り、次の挑戦につながる環境をどう整えるかを考えます。
■キーワード
研究開発への公的投資/研究投資の評価/知識の波及効果/吸収能力/研究の成熟度/研究助成制度/政策の追加性/民間投資
00:00 イントロダクション
00:53 科学への投資のリターン — 研究成果を社会の利益につなぐ条件
16:24 研究の成熟度と資金配分 — 科学の進展と社会での実装をどう支えるか
31:15 公的助成の追加的な効果 — 民間投資と次の挑戦者をどう増やすか
■今回のトピック
00:53 科学への投資のリターン — 研究成果を社会の利益に接続する条件
米国科学者連盟の報告書をもとに、科学研究への公的投資をどのような基準で評価するかを取り上げます。研究成果は支援先を超えて波及し、効果が現れるまでに長い時間がかかることもあります。そのため、支援がなかった場合との比較や、金銭では測りづらい社会的な便益をどう捉えるかが問われます。
本エピソードでは、研究に参加する機会、企業が外部の知識を理解して利用する「吸収能力」、研究者の選択に影響する助成制度という3つの観点から議論しました。研究者の成果とともに、企業や行政が成果を使う準備をしているか、資金提供者が長期的な挑戦や研究計画の見直しを支えられているかを考えます。日本の研究支援でも、研究の質と、その成果を生かす社会の能力を分けて検討する必要性を扱いました。
出典:
Federation of American Scientists, “Research Agenda: Estimating the U.S. Government’s Return-on-Investment on Scientific Research & Development”
https://fas.org/wp-content/uploads/20...
16:24 研究の成熟度と資金配分 — 科学の進展と社会での実装をどう支えるか
Innovation Research Caucusの報告書をもとに、Innovate UKの支援案件が、どの成熟度の科学研究を基盤としているかを取り上げます。知識がまだ少なく急速に成長する研究領域と、すでに知識が蓄積した領域では、公的支援が引き受ける不確実性や役割が異なります。報告書は、研究の成熟度から資金配分の特徴を整理し、企業の成果と結びつけて支援のタイミングを検討することを提案しています。
本エピソードでは、知識が生まれる時期と、企業の設備や仕事の仕方が変わる時期には違いがあることを議論しました。成熟した研究でも、利用する側の能力や環境が整うことで、新たな事業につながる可能性があります。また、海外の知識を国内で使う能力や、市場が小さく分散した社会課題にも目を向けます。既存の知識を使える企業や公共機関が増えることで、これまで研究者に届きにくかった現場の問題が、新しい研究課題になる可能性を考えました。
出典:
Innovation Research Caucus, “Science as Substrate: Mapping the Maturity of Research Supporting Innovate UK’s Innovation Portfolio”
https://ircaucus.ac.uk/publications/w...
31:15 公的助成の追加的な効果 — 民間投資と次の挑戦者をどう増やすか
Innovation Research Caucusの報告書をもとに、Innovate UKの助成が、支援がなければ起きなかった変化をどこまで生み出したかを取り上げます。採択企業の成長だけでは、もともと有望な企業が選ばれた効果と、助成そのものの効果を区別できません。報告書では、審査の境界付近にいた企業の比較から、公的助成1ポンドにつき約1.68ポンドの追加的な民間資金が生じるという推計が示されています。
本エピソードでは、制度への参加機会、民間投資との役割分担、社会に残る知識という3つの観点から議論しました。申請に使える時間や相談相手の違いが、支援にたどり着く機会を左右する可能性や、初期の助成が試作品や検証結果を生み、投資家の判断を可能にする役割を考えます。さらに、採択企業の成長に加えて、次の企業が使えるデータや評価方法が残るかにも注目します。日本の研究支援やスタートアップ支援についても、応募前の相談、検証設備、共通データへの配分を含め、将来の挑戦の幅を広げる設計を検討しました。
出典:
Innovation Research Caucus, “Examining the Innovation Funding Lifecycle: Selection, reapplication and firm outcomes in Innovate UK funding”
https://ircaucus.ac.uk/publications/e...
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