豊臣秀吉 徹底比較|『秀吉』×『豊臣兄弟!』“人たらし”は、褒め言葉ではなかった
サムライ日本史
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豊臣秀吉 徹底比較|『秀吉』×『豊臣兄弟!』“人たらし”は、褒め言葉ではなかった
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一九九六年、日本中が「心配ご無用!」をまねていました。大河ドラマ『秀吉』の決め台詞はその年の流行語大賞に選ばれ、平均視聴率は三十・五パーセントに達しています。竹中直人が演じた、明るくて人懐っこい秀吉。
それから三十年。二〇二六年の『豊臣兄弟!』の秀吉も、はじめはよく笑い、人を喜ばせようとします。ところが本能寺の変を境に、その顔つきが変わっていきます。同じ人物です。何が、変えたのでしょうか。
この動画では、三十年をへだてた二つの大河が同じ人物をどう描いたかを比べ、史実の側からどちらが本物に近いのかを考えます。結論を先に言うと、明るい秀吉と怖い秀吉は「二つの解釈」ではなく「二つの時期」でした。そして一九九六年版は、その暗い時期を描かなかったのではなく、そこへ行く手前で幕を下ろしています。手がかりは「人たらし」という言葉そのものです。この呼び方を広めたのは司馬遼太郎の『新史 太閤記』でした。ところが秀吉と同じ時代、一六〇三年に長崎で刊行された『日葡辞書』を開くと、まったく違う訳語が書かれています。
▼目次
0:00 一九九六年と、二〇二六年
1:00 第一章 人たらしは、褒め言葉ではなかった
2:15 第二章 一九九六年、人たらしの頂点
3:42 第三章 同時代の人は、どう見ていたか
5:13 第四章 二〇二六年の秀吉
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▼この動画で扱った主な事実
・「人たらし」を秀吉の呼び名として広めたのは司馬遼太郎。『新史 太閤記』は昭和四十一年から『小説新潮』に連載された
・『日葡辞書』(一六〇三〜〇四年・長崎刊/イエズス会・見出し語およそ三万二千)は「たらし」を「詐欺師、あるいは口先だけでだます人」と訳している
・信長の草履を懐で温めた逸話の初出は江戸中期の『絵本太閤記』。秀吉の死から二百年ちかくあとの読み物である
・大河ドラマ『秀吉』(一九九六年・全四十九回/原作 堺屋太一・脚本 竹山洋・主演 竹中直人)は初回二十六・五パーセントから平均三十・五パーセントへ。「心配ご無用」はその年の流行語大賞に選ばれた
・ただし『秀吉』は「明るいまま終わった」作品ではない。作中で秀吉は出世とともに傲慢になっていき、千利休の切腹(第四十五回)も描かれる。描かれなかったのは朝鮮出兵の失敗と甥・秀次の切腹で、最終回「夢のまた夢」の舞台は文禄四年(一五九五年)の春=秀次が切腹する、その年である
・晩年を描かなかった理由は「上り坂の時代と、権力の頂点に立った晩年との落差が激しすぎるため、連続して描くと秀吉の人物像が分裂してしまう」と説明されている
・竹中直人は後年(二〇〇三年の再放送時のインタビュー)「天下を取った後の堕ちてゆく秀吉を演じたかった」と語っている
・大河の秀吉=一九六五年『太閤記』緒形拳/一九九六年『秀吉』竹中直人/二〇一六年『真田丸』小日向文世/二〇二三年『どうする家康』ムロツヨシ/二〇二六年『豊臣兄弟!』池松壮亮
・ルイス・フロイス『日本史』は秀吉の容貌や出自を厳しく書くが、フロイスは天正十五年の伴天連追放令で追われた側であり、研究者はその偏りを指摘している
・そのフロイス自身が、秀吉が敵の武将を寝返らせた調略の才を書き残している
・文禄四年、秀吉は甥の秀次を切腹させ、妻子ら三十人あまりを三条河原で処刑した。朝鮮出兵では討ち取った敵の耳と鼻を送らせ、京都・東山の耳塚に葬られている
・これら(伴天連追放令1587/朝鮮出兵1592〜/秀次事件1595)はいずれも天下を取ったあとの出来事で、若いころの秀吉に残るのは敵を寝返らせた調略の才である
・池松壮亮は本能寺の変までの秀吉を「一言で表すとピュアだと思います」と語り、変の後については「信長の死後、さすがに今のままの秀吉が天下人になることはできるはずがない」と述べている
▼クレジット
音声:VOICEVOX(青山龍星)
画像:パブリックドメイン中心・一部CC0/Wikimedia Commons
・豊臣秀吉像=狩野光信 筆
・『絵本太閤記』より「木下藤吉郎秀吉」=岡田玉山 画
・『太平記英勇傳』より豊臣秀吉(明治期の武者絵)
・『日葡辞書』(Vocabulario da Lingoa de Iapam, 1603, イエズス会)
・ルイス・フロイス『日本史』写本
・ルイス・フロイス像(銅像)/耳塚(京都市東山区)=CC0
※図解・章見出し・オープニングは本チャンネル制作のオリジナルです。
※俳優の写真および番組の映像は使用していません。作品名・出演者名は文字で記載しています。
VOICEVOX:青山龍星
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