2030年に中国の核融合炉が稼働すると、世界の力関係は一変するのか?|ITER越えの衝撃
世界の仕組みがわかる教養チャンネル
0:00 / 0:00
2030年に中国の核融合炉が稼働すると、世界の力関係は一変するのか?|ITER越えの衝撃
965 просмотров · 13 ч назад
世界の仕組みがわかる教養チャンネル
4,75 тыс. подписчиков
965 просмотров · 13 ч назад
核融合といえば、世界の国々がフランスに建てているITER(イーター)でした。ところが2026年の6月、中国がそれより大きな、重さ582トンの磁石を作ったと発表し、本番の燃料の時期も2030年ごろをめざしています。「世界がひっくり返る」という声もありますが、資料をたどると、大きな磁石は16個でひとそろいになる試作の1個で、早いほうは別の、もっと小さな装置です。
人工太陽を「1億度のプラズマを入れる、見えない瓶」にたとえて、瓶・炎・電気の3つの段のどこまで来ているのか、AIの電気に間に合うのかを、一次資料で確かめました。
▼この動画で分かること
・中国の磁石は長さ21m・幅12m・厚み3.3m・582トン。イーター(ITER)の同じ磁石は高さ17m・幅9m・330トンほど。開発した研究所は、体積1.3倍・ためられるエネルギー3倍で世界最大と説明。3倍は16個そろったときの設計の値(120ギガジュールと41ギガジュール)
・研究チームの2025年の資料には「試作のコイルを作る」とあり、将来の装置にはD字形を16個並べる。その装置は、国際原子力機関の資料では設計の段階
・太陽の中心が出す熱は1立方メートルあたり250〜300ワットほどで、堆肥の山と同じくらい。人の体(およそ1000ワット)より少ない(ITERの総責任者の講演)。地上の炎は空気のおよそ100万分の1の薄さなので、1億度以上が要る
・イーターのD字形の磁石19個のうち9個(予備を含む)は日本が作った。三菱重工業は5個を組み立て、19個すべての内側の構造を作った
・中国は1990年ごろ、ソ連の研究所の所長から超伝導のトカマクを「プレゼント」として受け取り、3年半かけて作り直した(ITERの記事)
・本番の燃料の時期は、ITERが2039年、中国のBESTが2030年ごろをめざす。ただしBESTの核融合の出力は最大20万キロワットで、ITERの50万キロワットより小さく、582トンの磁石が入る装置とは別。ITERは2026年7月に本体の3分の2を据え付け、予定より半年ほど早いと発表
・磁石の方式の記録は、入れたエネルギーの0.67倍(イギリスのJET、1997年)。1回の運転のエネルギーの世界記録は69メガジュール=石炭2キロ分(2023年の実験)。燃料は0.21ミリグラム
・アメリカのレーザー方式は、2025年に2.08メガジュールを入れて8.6メガジュールを出した。レーザーを動かす電気およそ300メガジュールから見ると3%ほど
・2025年の中国の電気の需要の増加(503テラワット時)は、世界のデータセンターすべての電気(485テラワット時)より大きい
・2022年から2026年6月までに世界に届いたAIの計算のうち、アメリカが約72%、中国が約10%(エポックAIの推定)
・日本の目標は、世界の市場の約3割と、超伝導のコイルなど一部の部品で世界シェア100%(2026年7月、2040年度までに3.1兆円)
▼チャプター
0:00 中国の人工太陽で、世界は、本当に、ひっくり返るのか?
1:37 第1章 582トンの磁石は、何のためのものなのか?
9:04 第2章 瓶ができれば、人工太陽は、できるのか?
17:49 第3章 人工太陽は、AIの電気に、間に合うのか?
24:30 答え
▼注記
・図の多くは、この動画のために描いた模式図です。磁石の大きさの比べだけは発表の寸法に合わせましたが、形は実物をそのまま写したものではありません。写真や地図データは使っていません。
・この動画で計算したもの:「重さでおよそ1.8倍」(582÷330トン。ITERの別の資料は約310トン、三菱重工業は約300トン)、「3%ほど」(8.6÷300)、「100万キロワットの炎を1年燃やすと56キログラムほど」(反応のエネルギーから計算、1年フルに燃やした場合)、「0.1%にも届かない」(5万キロワット×1年=約0.44テラワット時を、国際エネルギー機関のデータセンターの増加 約530テラワット時と比べた)。「503と485」は出典の違う数字を並べたものです。「7階建てのビルほど」「東京からロンドンまでより長い」は目安です。
・中国の発表の「世界最大」「すべて国産」は、開発した研究所の説明です。第三者の評価は見つけられませんでした。D字形の磁石は「専門家の審査を通った」という発表で、全力の試験の数字が発表されたのは別の磁石(高温超伝導の中心のコイル)です。海外の報道には、全力の試験を終えたと書いたものもあります。
・中国のBESTの2030年の発電の実演は、中国側の目標です(出力はどちらも設計の値)。国際原子力機関の2025年の資料の書き方とはそろっていません。SPARC、Helionの時期は会社の予定です。中国の公的資金の額は推計です。
・どの国がAIの競争に勝つかは、この動画では判断していません。特定の国・会社・人物を評価するものではありません。核融合の費用の見通しは、研究者の間で意見が分かれています。
▼主な出典
・Li, J. ほか「Overview of CRAFT project progress」(IAEA 核融合エネルギー会議 2025)
・Degrave, J. ほか(2022)Magnetic control of tokamak plasmas through deep reinforcement learning, Nature 602
・Tang ほか(2026)Nature Energy(核融合発電の費用の見積もり)
・Pearson, R. ほか(2018)Fusion Engineering and Design 136、Kovari, M. ほか(2018)Nuclear Fusion(三重水素の在庫)
・IAEA World Fusion Outlook 2025、IAEA 会議の BEST の概要(2025年6月) https://www-pub.iaea.org/MTCD/Publica...
・ITER(Magnets、FAQ、Newsline 2006〜2024、記者会見の要約 2024年7月、プレスリリース 2026年7月29日) https://www.iter.org/machine/magnets
・内閣府「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」(2025年6月4日改定) https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/fu...
・Public-Private Investment Roadmap for Fusion Energy(2026年7月21日) https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/26...
・量子科学技術研究開発機構(2024年10月4日、2025年9月18日の講演資料)、文部科学省(2023年6月28日の資料)
・三菱重工業(2023年8月24日) https://www.mhi.com/news/23082401.html
・米エネルギー省 Fusion Science and Technology Roadmap(2026年6月) https://www.energy.gov/articles/fusio...
・LLNL Achieving Fusion Ignition https://lmf.llnl.gov/science/achievin...
・EUROfusion(2024年2月8日) https://euro-fusion.org/eurofusion-ne...
・CEA-IRFM(2025年2月) https://irfm.cea.fr/en/2025/02/west-s...
・Fusion for Energy「Global Fusion Energy Trends」(2026年7月)
・国際エネルギー機関 Energy and AI(2025年4月)、Key Questions on Energy and AI(2026年4月16日)、Energy Technology Perspectives 2026 https://www.iea.org/reports/key-quest...
・Ember Global Electricity Review 2026 https://ember-energy.org/latest-insig...
・国家能源局のデータ(新華社 2026年2月12日)、EIA(2026年3月5日)、PJM(2025年12月17日、2026年7月14日)
・Goldman Sachs Commodities Outlook 2026(2025年12月18日)、Epoch AI(AI chip imports、Huawei)、Stanford HAI AI Index 2026
・Helion(Orion)、Commonwealth Fusion Systems(SPARC、2025年6月30日、Series B2)、フジクラ(2026年9月30日)
・報道:新華社(2026年1月16日、2026年6月27日)、CGTN(2026年10月1日)、中国科学報(2026年6月29日)、Nature Outlook(2026年8月26日)、World Nuclear News(2026年7月14日)、ANS Nuclear Newswire(2026年7月6日)、Bloomberg(2025年3月3日)、Axios(2025年11月5日)
▼クレジット
BGM:Unresolved Motion(Sunoで制作)
ナレーション:音声合成(クローン音声)
#人工太陽 #核融合 #中国