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在来線で高雄から台東に移動!

山岸秀樹

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在来線で高雄から台東に移動!

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山岸秀樹
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高雄から在来線に乗って、台東へ行ってきました。 今回はですね…… チャッピーに騙されませんでした! いや、これだけで拍手ですよ。 今まで台湾で何度チャッピーに騙されたことか。 「このバスに乗れば行けます」 → 行けない。 「ここで降りれば大丈夫です」 → 大丈夫じゃない。 「ここが観光地です」 → 何もない。 もうチャッピーの情報を信じるたびに、 俺の旅が台湾版・水曜どうでしょうになっていく。 ところが今回は違った。 高雄駅から在来線に乗りまして、 ガタンゴトン、ガタンゴトン…… 何事もなく台東到着! 「おおっ!チャッピー、今回はやったな!」 と思った。 ところがですよ。 台東駅に降り立った瞬間、 ……何もない。 いや、正確にはありますよ。 駅があります。 道路があります。 タクシーもあります。 でも、 人がいない。 店がない。 観光地がない。 そして俺がいる。 この四つだけ。 「ここ、本当に台東駅か?」 って。 駅前を歩いても、 コンビニ、道路、駐車場…… 以上! 「観光客はどこへ行った?」 と思ったら、 観光客もいない。 まあいい。 「旧市街に行けば、さすがに台湾らしい街があるだろう」 と思って旧市街へ。 ところがですよ。 旧市街に着いても、 ……寂しい。 寂しいなんてもんじゃない。 街全体が、 「昔は栄えてました」 って顔をしてる。 シャッターは閉まってる。 人は少ない。 店も少ない。 「台東って……こんな感じなの?」 と思いながら歩いていると、 どうやらここで一番の観光スポットらしいのが、 旧台東駅。 出ました! 台湾名物、 「昔の駅を見て観光する」 ですよ。 いや、俺、駅好きだからいいんですよ。 好きだから見ますよ。 でも普通の人だったら、 「……で?」 ですよ。 「ここから電車乗れるんですか?」 乗れません。 「じゃあ何ですか?」 昔の駅です。 終了! それでも初日は午後から旧市街へ行ったので、 「市場でも見てみるか」と思って、 台東中央市場へ。 市場ですよ。 台湾の市場ですよ。 これは期待しますよ。 肉!魚!野菜!惣菜! おばちゃんが怒鳴ってる! バイクが突っ込んでくる! そういうのを期待して行ったら…… ほぼ閉店。 シャッター! 店じまい! 片付け! 「おいチャッピー!」 「市場は午前中が一番活気があります」 ……って、 先に言えよ! 午後から市場に行った俺は、 市場の閉店作業を見に来ただけ。 観光じゃねえよ。 市場の退勤風景見学だよ! そして、もう一つ問題なのが宿。 今回のホステルは新しい台東駅の近く。 「駅の近くなら便利だろう」 と思うじゃないですか。 ところが、 何もない。 駅前も何もない。 宿の周りも何もない。 コンビニも遠い。 飲み屋もない。 観光地もない。 夜になると、 「ここ、地球上ですか?」 というくらい静か。 ところがですよ。 そんな静かな街なのに、 俺が入れられた部屋だけ、 大騒ぎ。 なんと、 登山客の団体。 おい! なんでだよ! 台東の街は死んでるのに、 俺の部屋だけ生きてる! 荷物ガチャガチャ。 人が出入り。 話し声。 笑い声。 ベッドがギシギシ。 もう完全に、 修学旅行。 「はい、みなさん!明日は早いので早く寝ましょう!」 みたいな雰囲気。 俺は引率の先生か! こっちは一人旅で来てるんだよ! 静かにビール飲んで、 「今日も台湾はいいなぁ……」 って寝たいんだよ! それなのに隣では、 「ガハハハハ!」 ですよ。 うるせえ! お前ら、 台東で一番観光客が多い場所、俺の部屋じゃねえか! しかも、さらに腹立つことがある。 予約のときに、 「下のベッドをお願いします」 と指定したんですよ。 宿から返信が来て、 「OK!」 よし。 これで安心。 俺はもう上段ベッドには登らない。 今回の旅は下段でゆっくり寝るぞ。 ところがチェックインして部屋に入ったら…… 上。 上段。 「……。」 俺、しばらくベッドを見つめましたよ。 「これは何かの間違いだ」 と思って予約メールを確認。 確かに、 下段OK。 宿の返信も、 OK。 なのに、 現実は上段。 お前らのOKって何なんだよ! 「了解しました」 じゃないのか! 「下段を確保しました」 じゃないのか! 「OKって言っただけです」 なのか! しかもですよ。 ここ、台東ですよ。 台北じゃない。 高雄じゃない。 東京でも大阪でもない。 台東の僻地ですよ! 「こんなところ、ホステルなんかガラガラだろ」 と思うじゃないですか。 ところが、 満室。 なんでだよ! 何でこんな何もないところのホステルが満室なんだよ! そして俺の部屋は、 登山客軍団。 静かな台東。 寂れた旧市街。 閉店した市場。 何もない駅前。 その中で、 俺の部屋だけ修学旅行。 もうね、 台東観光より宿のほうが思い出に残りましたよ。 結局この日の台東をまとめると、 駅前、何もない。 旧市街、寂しい。 旧台東駅、ほぼ唯一の観光地。 中央市場、俺が行ったときには閉店。 宿、何もない。 部屋、登山客。 うるさい。 予約した下段、なぜか上段。 そして満室。 …… いやぁ、 台東、なかなかやってくれます。 でもね、 こういう旅が面白いんですよ。 何もないところへ行って、 「何もねえじゃねえか!」 って文句を言いながら歩いて、 最後は宿で登山客の大騒ぎに巻き込まれて、 「俺はいったい何をしに台東まで来たんだ?」 ってなる。 そして最後に、 「チャッピー、今回は騙さなかったな。偉い!」 と褒めてやる。 ……まあ、 宿のベッドは騙されたけどな。