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なぜ整形は、身近になったのか【進化生物学 × 社会心理学】

知られざる令和の世界

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なぜ整形は、身近になったのか【進化生物学 × 社会心理学】

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知られざる令和の世界
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00:00 - 1. いまの人は、なぜ気軽に顔をいじるのか 02:11 - 2. 動物は、何で相手を選んでいるのか 03:11 - 3. 過去、人間はどのような選び方をしていたのか 04:30 - 4. 見た目で選ぶ人は増えたのか 06:14 - 5. 整形自体は変化したのか 08:33 - 6. 何のために顔をいじるのか 10:49 - 7. 結び 2026年9月、美容整形のクリニックを舞台にした連続ドラマの配信が始まりました。テレビでも、芸能人が自分の整形を打ち明ける場面が増えています。ひと昔前なら、隠しておく話だったはずです。電車に乗れば、ドアの横に美容クリニックの広告が貼ってあります。 見た目が大事だということは、昔から誰もが知っていました。それでも、顔にメスを入れようとは、ふつう考えなかった。足りないぶんは、稼ぎや人柄や身だしなみで補ってきました。いまの人は、なぜこうも気軽に顔をいじるのか。そこまでして、モテたいのでしょうか。 先に答えを言っておくと、いじる人たちは、モテるためにやっているのではありません。 この動画では、五つのことを順に見ていきます。 ・動物は、何で相手を選んでいるのか ・過去、人間はどのような選び方をしていたのか ・見た目で選ぶ人は増えたのか ・整形自体は変化したのか ・何のために顔をいじるのか 魚も、鳥も、人間も、相手を見た目で選んでいます。1966年のアメリカの実験では、ダンスパーティーで「また会いたいか」をいちばん左右したのは、性格でも成績でもなく、相手の見た目でした。日本でも、相手の容姿を気にする独身の女性は、1992年の7割弱から、2025年には8割を超えています。 整形のほうも変わりました。学会の調査に答えた医療機関だけで1年に433万件。その9割以上は、注射やレーザーのような、切らない施術です。「する」か「しない」かの二択のあいだに、「少しだけする」が生まれました。美容外科を専門にする診療所の医師は、2008年とくらべて3倍以上に増えています。なりたい顔の手本も、テレビの中の遠い人から、加工した自分の写真へと近づきました。 ここまで並べると、答えはモテるためとしか思えません。ところが本人たちに理由を聞くと、女性でいちばん多かったのは「コンプレックスの解消」、ほとんど同じ割合で「自己満足」。「モテたい」は6.1%でした。男性は13.8%で女性の倍を超えますが、それでも1位と2位は女性と同じ二つです。 これは、強がりや言い逃れなのでしょうか。そうではないと言える理由が、二つあります。見た目の得は、恋愛の外にもあること。そしてその得が、前より大きくなったと「感じる」人が多いことです。どちらにも、恋人は出てきません。出てくるのは、まわりの人の評価と、世間の空気です。 いまの人が、安易になったわけではありません。 ▼参考文献 ・日本美容外科学会(JSAPS)「第9回 全国美容医療実態調査」(2025年1〜12月)  https://jsaps.com/explore/9th.html ・Endler, J. A. (1980). "Natural selection on color patterns in Poecilia reticulata." Evolution, 34(1), 76-91.  https://doi.org/10.1111/j.1558-5646.1...  (グッピーを天敵の少ない川へ移した実験。確かめられたのは模様の変化までです) ・Andersson, M. (1982). "Female choice selects for extreme tail length in a widowbird." Nature, 299, 818-820.  https://doi.org/10.1038/299818a0 ・Walster, E., Aronson, V., Abrahams, D., & Rottmann, L. (1966). "Importance of physical attractiveness in dating behavior." Journal of Personality and Social Psychology, 4(5), 508-516.  https://doi.org/10.1037/h0021188 ・国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」(第16回報告書・第17回結果の概要。18〜34歳の未婚者)  https://www.ipss.go.jp/site-ad/index_... ・リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年下期《美容医療編》」  https://hba.beauty.hotpepper.jp/wp/wp... ・同「美容センサス2024年下期《美容医療編》」資料編  https://hba.beauty.hotpepper.jp/ ・厚生労働省「美容医療に関する現状」(美容医療の適切な実施に関する検討会 資料)  https://www.mhlw.go.jp/content/108030... ・テレビ番組の公式ページ(2001年9月8日放送回)の記述「プチ整形が最近のブームです」  https://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/b... ・Rajanala, S., Maymone, M. B. C., & Vashi, N. A. (2018). "Selfies—Living in the Era of Filtered Photographs." JAMA Facial Plastic Surgery, 20(6), 443-444.  https://doi.org/10.1001/jamafacial.20... ・谷本奈穂『美容整形というコミュニケーション』花伝社、2018年(関西大学の広報誌 Reed No.55 の紹介記事で数字を確認) ・Dion, K., Berscheid, E., & Walster, E. (1972). "What is beautiful is good." Journal of Personality and Social Psychology, 24(3), 285-290.  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/4655540/ ・Langlois, J. H., et al. (2000). "Maxims or myths of beauty? A meta-analytic and theoretical review." Psychological Bulletin, 126(3), 390-423.  https://doi.org/10.1037/0033-2909.126... ・博報堂 Woman Wellness Program 調査リリース(2025年。15〜74歳の女性1,034人) ・Borland, J., & Leigh, A. (2014). "Unpacking the beauty premium: What channels does it operate through, and has it changed over time?" Economic Record, 90(288), 17-32.  https://doi.org/10.1111/1475-4932.12091 ▼断っておくこと ・433万件は「件数」で、人数ではありません。また、調査に回答した616院の合計で、日本全体の推計ではありません。回答する医療機関は毎年違うので、動画では前の年との比較をしていません。 ・「モテたい 6.1%/13.8%」は、のべ回答の割合です(医療脱毛・美容皮膚科・美容外科・審美歯科の4つについて、それぞれ聞いた答えの合算)。設問は「やった理由、やってみたいと思った理由」です。 ・同じ調査で、男性は2021年には「モテたい」が1位でした。2022年からは「コンプレックスの解消」が1位です。動画の「いちばんの理由ではなかった」は、2024年の結果の話です。 ・20代の「21.7%/22.8%」は、医療脱毛や歯の矯正も含む広い意味の美容医療の、過去1年の利用率です。女性全体の利用率は前の年より下がっていて、「増え続けている」とは言えません。 ・「相手の容姿を気にする」は、「重視する」と「考慮する」を足した割合です。 ・「加工した自分の写真を持ってくる」は、医学誌に載った医師たちの論説で、調査の結果ではありません。 ・「見た目が前より重視されていると感じる 10代の7割」は、女性だけを対象にした一時点の調査です。そう感じる人が「増えている」かどうかは、この調査からは言えません。 ・日本の実感の調査と、オーストラリアの収入の研究は、国も物差しも違います。動画が言っているのは「得が大きくなったというデータは見当たらない」までです。 ・見た目と評価の研究が確かめているのは、もとの見た目の差です。「整形すれば得をする」ことを示したものではありません。 ・「敷居が低くなった」「なりたい顔を具体的に思い描けるようになった」は、データからの読みです。 ・ドラマの配信開始日は、公開時点の案内にもとづきます。特定のクリニック・番組・出演者を取り上げる意図はありません。 #美容整形 #美容医療 #ルッキズム #社会心理学 #進化心理学 #令和