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旧「三菱マヒンドラ農機」技術継承は…「頼ってきた」農家は不安 トラクター技術は進化して「里帰り」

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旧「三菱マヒンドラ農機」技術継承は…「頼ってきた」農家は不安 トラクター技術は進化して「里帰り」

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9月30日をもって農業用機械の生産販売事業から撤退した松江市の旧「三菱マヒンドラ農機」。 引き継ぎ先が決まった技術がある一方で、先行きがまだ不透明な技術もあり、これまで農作業の現場を支えてきた様々な技術の行方を懸念する声も聞かれます。 島根県邑南町で有機栽培のコメ作りをする新田良次さん、今後に不安を抱いています。 コメ農家・新田良次さん: めちゃめちゃ不安ですね。この技術に頼ってきたし、これしかないと思っていた。」 「頼ってきた」と話すのが、「三菱マヒンドラ農機」が国内で唯一生産していた「紙マルチ田植え機」です。 この田植え機は水田に再生紙を敷きながら苗を植え付けることができ、除草剤を使わずに雑草の成長を抑えます。 コメ農家・新田良次さん: これが紙マルチです。 敷いた紙は、40日から50日で自然に分解されることから環境にも優しく、有機米を栽培する農家を中心に利用者は全国に存在します。 三菱マヒンドラ農機の製品は新会社が約10年間、部品供給や製品保証をサポートするとしています。 ただ、紙マルチ田植え機の生産技術を引き継ぐ会社がなければ将来的に農機の更新ができなくなり、いずれ生産方法の転換を迫られることになります。 コメ農家・新田良次さん: 紙マルチは僕が有機栽培をここで続けていくのに、なくてはならない技術です。 この技術じゃないと有機栽培ができないという人も他にもいると思う。 どうにかこの技術をつないでいってくれたらという思いです。 一方、すでに譲渡先が決まっている技術と事業もあります。 茨城県龍ヶ崎市の建設機械メーカー「諸岡」。 三菱マヒンドラ農機から開発中だった新型トラクターを引き継ぎました。 諸岡・若井光浩常務取締役: ゴムクローラー式の利点を生かしたサイズ感。諸岡の新型フルクローラートラクターの発売に向けてやっていく。 「フルクローラー」式のトラクターは接地面が大きく、沈みにくいことなどから湿地帯の農業では欠かせない存在です。 主流のタイヤ式に比べると特定分野の農機ですがこの技術を継承するには特別な思いもあるといいます。 諸岡・諸岡正美会長: ある意味『里帰り』と思っている。歴史と技術力があるマヒンドラさんによってより進化した状態で戻ってきた。 1990年、諸岡はゴムクローラー式のトラクターを業界に先駆けて開発、一時は専用工場を設け、生産するほどでしたがバブルの崩壊を受けて、この事業から撤退します。 この時、引き継いだのが三菱マヒンドラ農機で結果的に25年以上の時を経て事業を買い戻すことになりました。 諸岡・諸岡正美会長: このような縁がなくなると大型のフルクローラートラクター自体が消えてなくなってしまう可能性もなかったわけではない。成長してきた製品を世で活躍できるようにしていく事が私たちの役割。 旧「三菱マヒンドラ農機」はこうした技術と事業、いわゆる知的財産について個別の継承は現時点で「公表しない」としています。 ただ、長い歴史を重ね島根から全国に優れた農機具を送り出してきた企業として今なお有用な技術と事業はしっかり未来に引き渡す責務もあるはずです。 小泉陽一キャスター: 長年培ってきた技術と人材は、山陰にとって、かけがえのない財産です。 今回の撤退を機に、一つの企業に支えられてきたいわゆる「三菱マヒンドラ農機」の城下町的な地域経済のあり方も、見直す必要があるでしょう。 懸念されるのは、仕事を失った技術者が県外に流出し、地元の協力企業まで経営が立ち行かなくなることです。 112年かけて築いてきたものづくりの土台を、ここで失うわけにはいきません。 行政と地域経済界には、目の前の雇用や、取引先への支援を着実に進めるとともに、簡単なことではありませんが、蓄積された技術と人材を生かし、山陰に新たな仕事を生み出す取り組みが求められます。