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空から来た岩が、三千キロ先の川を逆流させた|6600万年前、衝突の「最初の1時間」を閉じ込めた地層

46億年の災害史

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空から来た岩が、三千キロ先の川を逆流させた|6600万年前、衝突の「最初の1時間」を閉じ込めた地層

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46億年の災害史
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アメリカ・ノースダコタ州の牧場に、厚さ1メートル余りの柔らかい地層が顔を出しています。中には魚の骨格が同じ向きにそろって横たわり、えらの間には直径1ミリ前後のガラスの粒がはさまっています。その粒は、およそ3000キロ離れたメキシコ・ユカタン半島から、空を通って運ばれてきたものでした。 およそ6600万年前、ユカタン半島に直径10キロ前後と見積もられる天体が衝突しました。クレーターの直径はおよそ180キロメートル。衝突は白亜紀と古第三紀の境目と3万2千年以内で同時で、その噴出物の層は世界中の境目に一枚だけ広がっています。クレーターの中には、衝突の当日に積もった約130メートルの層があることも、掘削で確かめられています。 手がかりは少しずつ集まりました。1980年に境目の地層からイリジウムが見つかり、1984年に衝撃を受けた石英、1991年にハイチで衝突のガラス、そして同じ年にメキシコ地下のクレーターが報告されます。2016年の掘削では、地球で唯一はっきりしたピークリングの中身が調べられました。 一方、ノースダコタの地層「タニス」の読み方は、確かめられている途中です。研究チームは、衝突の揺れが遠くの川の水を逆流させ、衝突から13分後〜2時間後に積もったとしています。ただしその時刻の計算は「粒が空から直接降ったものなら」という条件つきで、異論も残っています。この動画では、有力な説のひとつとして紹介し、確定した事実としては扱っていません。空を暗くした主役が塵だったのか、硫黄だったのか、すすだったのかも、研究によって重みの置き方が割れています。 衝突の縁は、いまもユカタン半島のセノーテの並びとして地表に残っています。衝突の最初の数時間を閉じ込めたかもしれない地層の記録を、最後までご覧ください。 チャンネル登録・高評価もぜひよろしくお願いします。 【主な参照資料】 ・Alvarez, L.W. ほか「Extraterrestrial cause for the Cretaceous-Tertiary extinction」Science 208(1980年)  https://doi.org/10.1126/science.208.4... ・Bohor, B.F. ほか「Mineralogic evidence for an impact event at the Cretaceous-Tertiary boundary」Science 224(1984年)  https://doi.org/10.1126/science.224.4... ・Sigurdsson, H. ほか「Glass from the Cretaceous/Tertiary boundary in Haiti」Nature 349(1991年)  https://www.nature.com/articles/349482a0 ・Hildebrand, A.R. ほか「Chicxulub Crater: A possible Cretaceous/Tertiary boundary impact crater on the Yucatán Peninsula, Mexico」Geology 19(1991年)  https://doi.org/10.1130/0091-7613(199... ・Hildebrand, A.R. ほか「Size and structure of the Chicxulub crater revealed by horizontal gravity gradients and cenotes」Nature 376(1995年)  https://www.nature.com/articles/376415a0 ・Schulte, P. ほか「The Chicxulub asteroid impact and mass extinction at the Cretaceous-Paleogene boundary」Science 327(2010年)  https://doi.org/10.1126/science.1177265 ・Renne, P.R. ほか「Time scales of critical events around the Cretaceous-Paleogene boundary」Science 339(2013年)  https://doi.org/10.1126/science.1230492 ・Morgan, J.V. ほか「The formation of peak rings in large impact craters」Science 354(2016年)  https://doi.org/10.1126/science.aah6561 ・Gulick, S.P.S. ほか「The first day of the Cenozoic」PNAS 116(2019年)  https://doi.org/10.1073/pnas.1909479116 ・DePalma, R.A. ほか「A seismically induced onshore surge deposit at the KPg boundary, North Dakota」PNAS 116(2019年)  https://doi.org/10.1073/pnas.1817407116 ・Collins, G.S. ほか「A steeply-inclined trajectory for the Chicxulub impact」Nature Communications 11(2020年)  https://doi.org/10.1038/s41467-020-15... ・Fischer-Gödde, M. ほか「Ruthenium isotopes show the Chicxulub impactor was a carbonaceous-type asteroid」Science 385(2024年)  https://doi.org/10.1126/science.adk4868 ※地球史の年代や原因の説明には、研究が進むにつれて書き換わるものがあります。内容は公開時点で確認できた資料にもとづくものです。 --- #46億年の災害史 #地球史 #隕石衝突 #チクシュルーブ #タニス #白亜紀 #KPg境界 #ユカタン半島 #地質 #地球の歴史