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【脳科学】『本を読まない』と、脳はどうなるのか?

万象図鑑

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【脳科学】『本を読まない』と、脳はどうなるのか?

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万象図鑑
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本を読まないと、脳はどうなるのでしょうか。 2024年の調査で、日本の16歳以上の62.6%が「1か月に本を1冊も読まない」と答えました。5年前は47.3%でした。読み書きの力の国際調査では日本は世界2位、小学生が読む本の数は調査が始まって以来いちばん多いのに、高校生になると半分近くが読まなくなり、大人の6割は本を開きません。 万象図鑑が、確かめられた記録と、まだ確かめられていない研究を分けながら答え合わせします。 人の脳には「読む」ための場所が生まれつきありません。文字はおよそ5000年前の発明で、脳が進化で読む回路を持つには短すぎたからです。ポルトガルとブラジルの63人の大人の脳を調べた研究では、文字を覚えた脳は、顔を見分ける場所の一部を借りて読む回路を作っていました。大人になってから読み書きを習った人の脳も、ほぼ同じように変わっていました。インドの村で読み書きを習ったことのない大人が6か月だけ文字を習うと、脳の深い場所と見る場所のつながりが強くなっていました。 「文学の小説を読むと人の心が読めるようになる」という2013年の有名な研究は、792人と1006人の追試で同じ結果が出ませんでした。ただし、ふだんから小説をよく読む人のテストの点が高いという相関は、どの追試にも残りました。99の研究をまとめた答え合わせでは、読む量と言葉の力の結びつきは年齢が上がるほど強くなり、50歳以上の3635人を12年追った研究では、本を読む人は読まない人より長く生きていました(ただし相関です)。よく引かれる「6分間の読書でストレスが68%減る」という数字には、論文がありません。 ▼ 目次 0:00 序 6割が本を読まない国 1:12 第一章 読む場所は無かった 3:22 第二章 読んでいる脳 4:38 第三章 心は読めるのか 6:06 第四章 積み上がるもの 8:14 第五章 読書と老い 10:27 第六章 紙と画面 ▼ この動画に出てくる語 読書と脳、読書の効果、本を読まない、神経の再利用、視覚性単語形状領域、心の理論、追試、読書量と語彙、紙と画面、認知神経科学 ▼ 主な出典 ・1か月に1冊も読まない 62.6%・読書量が減っている 69.1% — 文化庁 令和5年度「国語に関する世論調査」結果の概要(2024年9月17日公表) ・大人の読み書きの力 世界2位 — OECD 国際成人力調査(PIAAC)第2回(2024年12月公表) ・小学生 13.8冊・高校生の48.3%が読まない — 全国学校図書館協議会 第69回学校読書調査(2024年) ・脳に読む場所は無い・文字の箱 — Dehaene, S., & Cohen, L. (2015). Nature Reviews Neuroscience, 16, 234–244. doi:10.1038/nrn3924 ・ポルトガルとブラジルの63人 — Dehaene, S., et al. (2010). Science, 330(6009), 1359–1364. doi:10.1126/science.1194140 ・インドの村・6か月で変わる脳 — Skeide, M. A., et al. (2017). Science Advances, 3(5), e1602612. doi:10.1126/sciadv.1602612 ・物語を読む脳は出来事をなぞる — Speer, N. K., et al. (2009). Psychological Science, 20(8), 989–999. doi:10.1111/j.1467-9280.2009.02397.x ・小説を9日読んだ学生の脳(21人) — Berns, G. S., et al. (2013). Brain Connectivity, 3(6), 590–600. doi:10.1089/brain.2013.0166 ・文学の小説で心を読むテストが上がった — Kidd, D. C., & Castano, E. (2013). Science, 342(6156), 377–380. doi:10.1126/science.1239918 ・792人の追試 — Panero, M. E., et al. (2016). Journal of Personality and Social Psychology, 111(5), e46–e54. doi:10.1037/pspa0000064 ・1006人の追試 — Samur, D., Tops, M., & Koole, S. L. (2018). Cognition and Emotion, 32(1), 130–144. doi:10.1080/02699931.2017.1279591 ・小説を読む人と社会的な力 — Mar, R. A., et al. (2006). Journal of Research in Personality, 40(5), 694–712. doi:10.1016/j.jrp.2005.08.002 ・読む量と言葉の力(99の研究・7669人) — Mol, S. E., & Bus, A. G. (2011). Psychological Bulletin, 137(2), 267–296. doi:10.1037/a0021890 ・16歳のとき家にあった本の数(31の国と地域・約16万人) — Sikora, J., Evans, M. D. R., & Kelley, J. (2019). Social Science Research, 77, 1–15. doi:10.1016/j.ssresearch.2018.10.003 ・読み聞かせと子どもの脳(19人) — Hutton, J. S., et al. (2015). Pediatrics, 136(3), 466–478. doi:10.1542/peds.2015-0359 ・本の時間と画面の時間(19人) — Horowitz-Kraus, T., & Hutton, J. S. (2018). Acta Paediatrica, 107(4), 685–693. doi:10.1111/apa.14176 ・本を読む人は長く生きていた(3635人・12年) — Bavishi, A., Slade, M. D., & Levy, B. R. (2016). Social Science & Medicine, 164, 44–48. doi:10.1016/j.socscimed.2016.07.014 ・脳の病変を差し引いても残る差(294人) — Wilson, R. S., et al. (2013). Neurology, 81(4), 314–321. doi:10.1212/WNL.0b013e31829c5e8a ・「6分間の読書でストレス68%減」の出どころ — Times Higher Education (2015). "Sussex link to PR studies is in the mind, but it lingers"(調査会社 Mindlab が菓子会社の宣伝のために行った調査・学術誌に出ていない) ・紙と画面(54の研究・171,055人) — Delgado, P., et al. (2018). Educational Research Review, 25, 23–38. doi:10.1016/j.edurev.2018.09.003 ※ 本を読む人が長く生きていた研究と、脳の病変を差し引いた研究は、どちらも習慣をたずねて追いかけた観察の研究です。本を読んだから長生きした、とまでは言えません。 ※ 「脳がもともとある場所を借りて読む回路を作る」という考え(神経の再利用)は、研究者の説で、まだ確かめられている途中です。 ※ 「6分間の読書でストレスが68%減る」という数字は、嘘だと分かったのではなく、確かめた論文が無い、ということです。 ※ この動画は、2026年10月時点で公開されている研究の紹介です。今後の研究で見直される可能性があります。 ▼ 万象図鑑について 万象図鑑は、哲学・歴史・科学・宇宙など、ジャンルの壁を越えて世界の「なぜ?」を図解するチャンネルです。案内役は、知識を愛するフクロウのフィロ。チャンネル登録と高評価が、次の図版を仕上げる力になります。 #読書 #脳科学 #心理学 #万象図鑑