米はなぜ余ったのか 第2弾「現在の出ている改正案では、基本的には全く解決しません」現役の農家が国会で…「これほど上から目線の法律はあり得ないじゃないですか」【長谷川敏郎/参政党/備蓄米】
清水 圭介 2480
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米はなぜ余ったのか 第2弾「現在の出ている改正案では、基本的には全く解決しません」現役の農家が国会で…「これほど上から目線の法律はあり得ないじゃないですか」【長谷川敏郎/参政党/備蓄米】
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去年は高すぎて買えなかった米が、今年は余っている。その理由を国会で告発した現役の農家、長谷川敏郎 参考人に、5つの会派の議員が質問をぶつけました。2026年6月23日の参議院農林水産委員会、主要食糧法の改正案をめぐる参考人質疑を、リリーがわかりやすく解説してお届けします。前回お届けした意見陳述の続きです。
長谷川氏は、島根県邑南町の中山間地で繁殖和牛二頭、田んぼ一町四反を耕す現役の農家で、農民運動全国連合会の会長です。
国民民主党のかごしま彰宏議員は、「需要に応じた生産」の責任を国が負うのか生産者が負うのかを問いました。長谷川氏はこう答えています。「今回は法律にわざわざ主体的にと書かれました。我々が主体的にやってこなかったのか。これほど上から目線の法律はあり得ないじゃないですか」。これが打ち出されたのは2003年の食糧法改正からで、「さんざん需要に応じた生産を押し付けられた結果の事態です」とも述べました。
公明党の高橋光男議員は、いまある経営安定対策で十分なのかを尋ねました。長谷川氏の答えは、制度はあっても多くの農家に届いていない、というものです。「経営安定対策の…経営基盤強化法だとか含めて、これは基本的に認定農業者が対象なんですね。認定農業者だけで考えると全体農家はほとんどカバーできない」「収入保険についても、これは青色申告のみが対象ですので、私のような白色申告、ほぼ農家の九割を占めているところは、これも対象にならない」。
そのうえで、2021年のコロナ禍で米が余ったときの計算を示しました。「一万五千円ぐらい掛かっているお米を、一万円だったわけですよね。五千円の差額というのは、全部で計算すると四千八百億から五千億ですよ。それを農家がかぶったわけです」「あのときに二十万トンを政府が買い上げてくれれば、たとえ二万円であっても、それは六百億で済んだわけですよね」。これは長谷川氏自身の試算です。
日本維新の会の佐々木りえ議員は、価格保障をすれば作りすぎになるのではないか、所得補償をすれば意欲が失われるのではないか、という懸念をぶつけました。長谷川氏は「価格保障と所得補償、これは二つの違う概念です」として、価格保障は「これ以上下がったらそれはもう駄目だよねというところは、価格をしっかり支える」もの、所得補償は水路やあぜ、農道といった国土の保全を「今私たち百姓は無償でやっているわけですよね」という部分に払うものだと説明しました。その無償の労働は「年間で十一兆円とか六兆円とか八兆円」にのぼるという、恩師らの試算も紹介しています。
参政党の杉本純子議員は、価格はマーケットで決まるという政府の説明と、コスト指標の公表が整合していないのではないかと問いました。長谷川氏は「今回も例えば消費者の方は三千円台がいいよ…そして生産者の方も四千円以上ないと再生産できないと」としたうえで、「その間で本当に生産者か消費者がどちらかがかぶるという形ではなくて、その間に政府がやっぱり入るべき」と答えています。
日本共産党の岩渕友議員には、農村の現実をこう語りました。「この前も私どもの集会で話していたときに、俺、農業やめるぞと言ってやめる人はいないよと、静かにやめていく、そういうのが今農村の現実だというふうに思っています」。改正案が農家の現状を解決するものになるかを問われると、「現在の出ている改正案では、基本的には全く解決しません」と答え、所得補償と価格保障が5年、10年先も続く保証があって初めて打開できる、と結んでいます。
―― 目次 ――
0:00 ダイジェスト
0:49 リリーの解説
1:20 かごしま彰宏 議員(国民民主党)の質問
2:31 長谷川参考人「これほど上から目線の法律はあり得ないじゃないですか」
3:31 高橋光男 議員(公明党)の質問
5:06 長谷川参考人「それは六百億で済んだわけですよね」
7:39 佐々木りえ 議員(日本維新の会)の質問
8:58 長谷川参考人「価格保障と所得補償、これは二つの違う概念です」
10:49 杉本純子 議員(参政党)の質問
12:07 長谷川参考人「その間に政府がやっぱり入るべき」
13:03 岩渕友 議員(日本共産党)の質問
15:37 長谷川参考人「基本的には全く解決しません」
16:01 今回のまとめ
17:54 用語解説
―― 用語解説 ――
◆ 需要に応じた生産:売れる見込みの分だけ米を作るという考え方。長谷川参考人によると、打ち出されたのは2003年の食糧法改正からで、今回の改正案にはわざわざ「主体的に」と書かれた。
◆ 認定農業者:経営の改善計画を市町村に認めてもらった農業者。長谷川参考人は、経営安定対策は基本的にこの認定農業者が対象で、農家全体はほとんどカバーできないと述べた。
◆ 収入保険:収入が減ったときに補填を受けられる農業者向けの保険。長谷川参考人は、対象は青色申告をしている人だけで、自分のような白色申告はほぼ農家の9割を占めるのに対象にならないと述べた。
◆ 米穀周年事業:米が余ったときに市場から一時的に取り分けて需給を調整する仕組み。長谷川参考人は、2021年のコロナ禍の米価暴落のときも15万トンしか隔離されなかったと述べた。
◆ 価格保障と所得補償:長谷川参考人によると、この二つは違う概念。価格保障はこれ以上下がったら駄目だという線を政府が支えること。所得補償は農道や水路の維持など、農家がただ働きで担う国土の保全に対して払うこと。
―― この動画の独自リサーチ ――
国会会議録の原文(第122115007X01220260623)と一言一句つき合わせ、字幕を発言どおりに起こしています。収録したのは長谷川参考人へのやり取りだけで、5会派それぞれについて、質問と答えを途中を切らずに収めました。省略したのは、同じ質問を受けた西川邦夫 参考人(日本大学法学部教授)と武本俊彦 参考人(新潟食料農業大学名誉教授)の答弁、および各議員の冒頭の挨拶です。長谷川氏の主張を否定したり条件付けたりする内容は含まれていません。
なお、四千八百億から五千億・六百億という金額は長谷川氏本人の試算として述べられたもので、確定した統計ではありません。白色申告が「ほぼ農家の九割を占めている」というのも本人の認識、「年間で十一兆円とか六兆円とか八兆円」は恩師らの試算の引用です。改正案への評価は、農民運動全国連合会 会長としての立場からの主張としてお届けしています。
―― 出演 ――
長谷川敏郎(参考人/農民運動全国連合会 会長)
かごしま彰宏(参議院議員/国民民主党・新緑風会)
高橋光男(参議院議員/公明党)
佐々木りえ(参議院議員/日本維新の会)
杉本純子(参議院議員/参政党)
岩渕友(参議院議員/日本共産党)
―― 引用元 ――
・参議院インターネット審議中継(2026年6月23日 農林水産委員会)
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/deta...
・国会会議録検索システム
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122115007X012...
―― クレジット ――
ナレーション:VOICEVOX:波音リツ
BGM: "Hot Pursuit", "Bittersweet", "Infinite Perspective" by Kevin MacLeod (incompetech.com)
Licensed under Creative Commons: By Attribution 4.0
http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
#備蓄米 #米価 #国会