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【ツタンカーメンの胸飾りの真ん中で玉髄とされていた石を、イタリアの鉱物学者が調べたら、二千九百万年前に砂漠で生まれたガラスだった】リビアングラス——そらから来たかもしれない宝石

真夜中の資料室

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【ツタンカーメンの胸飾りの真ん中で玉髄とされていた石を、イタリアの鉱物学者が調べたら、二千九百万年前に砂漠で生まれたガラスだった】リビアングラス——そらから来たかもしれない宝石

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真夜中の資料室
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ツタンカーメンの墓から出た金の胸飾り。その中央のきいろいスカラベは長く玉髄とされてきましたが、1990年代の調査で、エジプト西部の大砂海に散らばる約2,900万年前のガラス「リビアングラス」だと分かりました。ほぼ純粋な石英が溶けたこのガラスを生んだ熱は、隕石の衝突か、上空での爆発か。2019年と2023年のジルコンの研究が衝突を支持する証拠を加えましたが、クレーターは今も見つかっていません。 0:00 王の胸のガラス 0:40 少年王の胸飾り 1:19 大砂海の南の端 1:53 一九三二年の発見 2:31 ほぼ純粋な石英 2:59 二千九百万年前 3:52 玉髄ではない石 4:27 誰が運んだのか 4:56 見つからない穴 5:23 空中爆発という説 5:58 ジルコンの証言 6:36 十三万気圧の痕 7:07 まだ空白の場所 7:34 砂の下の答え ■ この回で扱うこと ・ツタンカーメンの墓から出た金の胸飾りと、中央の翼を広げたスカラベ ・カイロのエジプト博物館の目録で「玉髄」とされていたこと ・リビア国境に近い大砂海の南端、ギルフ・キビール台地の北に散らばるガラス ・1932年12月29日、クレイトンのエジプト砂漠調査隊による発見 ・1934年、大英博物館のスペンサーとの再訪と論文 ・二酸化ケイ素が約98%、ほぼ純粋な石英が溶けて固まったガラス ・約2,850万年前(1969年)、約2,900万年前という年代 ・石器時代の人々がガラスを割って作った道具と、ハンドアックス ・1996年、デ・ミケーレがカイロで気づいたスカラベと、1998年の発表 ・テーベまで何百キロも続く砂漠と、分かっていない運ばれた道 ・見つからないクレーターと、2006年のボズローの空中爆発の計算 ・2013年のチェリャビンスクと、2019年のカボシーとケーベルのジルコン研究 ・2023年のコバレバらの研究(地上の気圧の約13万倍以上・2,750℃超という見積もり) ・熱い地下水で説明する少数説と、まだ空白の衝突地点 ■ 扱いについて ガラスは隕石そのものではなく、地上の砂(石英)が強い熱で溶けたものです。隕石は熱の源の候補です。1932年は発見の年で、専門家との本格的な調査と論文は1934年です。色はきいろだけでなく、うすい緑や白っぽいものまで幅があります。ツタンカーメンの時代の人々が、このガラスの由来を知っていたという根拠はありません。2019年と2023年の研究は衝突を支持する証拠を加えましたが、クレーターは見つかっておらず、衝突地点も分かっていないため、決着とは扱っていません。宇宙人などの説は扱っていません。胸飾りそのものの写真は使っておらず、映像のガラスはリビアングラスの標本です。 【主な参照】 ・Clayton, P. A. & Spencer, L. J. (1934)「Silica-glass from the Libyan Desert」Mineralogical Magazine 23:501–508 https://rruff.info/uploads/MM23_501.pdf ・Roe, D. A. ほか (1982)「A handaxe of Libyan Desert Glass」Antiquity 56 https://www.doi.org/10.1017/S0003598X... ・de Michele, V. (ed.) (1997)『Silica '96: Proceedings of the Meeting on Libyan Desert Glass and Related Desert Events』Pyramids, Segrate ・Boslough, M. ほか (2006)「Numerical modeling of aerial bursts and ablation melting of Libyan Desert Glass」Sandia National Laboratories https://www.sandia.gov/research/publi... ・Cavosie, A. J. & Koeberl, C. (2019)「Overestimation of threat from 100 Mt–class airbursts? High-pressure evidence from zircon in Libyan Desert Glass」Geology ・Kovaleva, E. ほか (2023)「Libyan Desert Glass: new evidence for an extremely high-pressure-temperature impact event from nanostructural study」American Mineralogist 108:1906–1923 ・Curtin University (2019年5月15日)「Curtin planetary scientist unravels mystery of Egyptian desert glass」 https://www.curtin.edu.au/news/media-... #リビアングラス #ツタンカーメン #古代エジプト #真夜中の資料室 【画像出典】 ・Libyan Desert Glass (Oligocene, 28.5 Ma; Libyan Desert, Egypt) 11 / James St. John / CC BY 2.0(リビアングラスの塊) ・Libyan Desert Glass (Oligocene, 28.5 Ma; Libyan Desert, Egypt) 18 / James St. John / CC BY 2.0(リビアングラスの塊) ・Libyan desert glass 3 / Vassil / Public domain(細長いリビアングラスのかけら) ・Great Sand Sea10 / ولاء / Public domain(大砂海の砂丘で、ガラスの産地そのものではありません) ・Map by the US Army Map Service - Gilf Kebir Plateau / United States Army Map Service / Public domain(ギルフ・キビール台地の地図) 音声: VOICEVOX(四国めたん / ずんだもん)/ 立ち絵: 坂本アヒル様 / BGM: 甘茶の音楽工房 / 効果音: 効果音ラボ / 背景動画: Pexels