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夫が親族に約束した写真整理は、私の仕事になっていた。持ち主と写っている人の希望を確かめた私は、退職後の夫にどこまで担ってもらえるのか

ことばの灯り

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夫が親族に約束した写真整理は、私の仕事になっていた。持ち主と写っている人の希望を確かめた私は、退職後の夫にどこまで担ってもらえるのか

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ことばの灯り
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煮物の火を弱めた私の横に、夫が積んだ写真の箱は四つ。荷札には、相談もなく「整理担当・文江」と書かれていました。親族みんなの写真を来月までに整理して渡す。その約束は、いつの間にか私の仕事になっていたのです。 私は六十六歳。退職した正則に、何か楽しめることがあればと思っていました。でも、親族への連絡を引き受けた夫の陰で、取り込みも仕分けも、返事を待つ手間も私が担う。それは、望んでいた退職後の暮らしとは違いました。 写真は、機械に通せば済むものではありませんでした。義姉の澄子さんは、亡き夫の文字が残る台紙を捨ててよいか迷い、娘の由衣は十代の写真を親戚に回してほしくないと訴えます。持ち主の懐かしさと、写っている人の気持ちは、同じとは限らないのです。 私は一枚の見本を作り、操作を教える時間を決めました。ただ、娘の言葉を夫へ柔らかく伝え直すことも、全員の希望を一覧にすることも、当然の役目としては引き受けない。そう決めても、目の前で困る人を見ると、つい手を出したくなります。 やがて写真整理は、家計と住まいの話に広がります。外注費に家の修繕用のお金を使うのか。私が寝室にしたかった一階の和室を、いつまで作業場にするのか。前から約束していた友人との二泊の旅行まで、後回しにはしたくありませんでした。 一人で暮らす費用も調べましたが、私の年金だけでは心もとない。それでも、お金が不安だからと、また全部を引き受ける暮らしには戻りたくない。親族を大切にしながら、自分の時間と部屋も守るために、夫へ何を任せ、私はどこで手を止めるのか。その話し合いを、どうぞ聞いてください。 #熟年夫婦 #定年後の暮らし #親族付き合い #家事分担 #老後の住まい