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古本の匂いの正体は?

におうはなし

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古本の匂いの正体は?

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古本の匂いの正体は? ▼目次 00:00 古い本を、開いてみてください 01:02 紙は、何でできているか 02:54 匂いで、本の健康診断 05:02 古本の匂いを分解する 07:28 図書館の匂いに、言葉を 10:04 「バニラの香り」説を、論文でたどる 12:06 1850年から1990年の紙 13:42 1300年残る紙と、匂いを残す試み 16:58 本は、時間の匂いをまとう ▼参考文献・出典 [F1] Strlič, M. ほか「Material Degradomics: On the Smell of Old Books」Analytical Chemistry 81(20), 8617–8622(2009)(ロンドン大学(UCL)ほか。冒頭の記述:古い本の香りは、草のような匂いに酸っぱさとかすかなバニラ、その奥にかび臭さが重なったもの。数百の揮発性・半揮発性の成分による。19〜20世紀の歴史的な紙72点(SurveNIR 参照試料)を24時間あらかじめ劣化させ、空気中の成分を分析。全試料で多かった15成分:酢酸、ベンズアルデヒド、2,3-ブタンジオン、ブタノール、デカナール、2,3-ジヒドロフラン、2-エチルヘキサノール、フルフラール、ヘキサデカン、ヘキサナール、メトキシフェニルオキシム、ノナナール、オクタナール、ペンタナール、ウンデカン(バニリンは含まれない)。酢酸とフルフラールは既に知られた紙の劣化生成物、脂質の過酸化でできる成分も注目。成分から、ロジン・リグニンの量、セルロースの重合度、酸性度などを推定できた。紙を傷めずに劣化した資料を見つけられる。紙は条件しだいで千年単位もつが、1850〜1990年の紙の多くは酸性のため1〜2世紀もたない可能性。ロジンのにじみ止めは主に1850年ごろ以降、硫酸アルミニウムが酸性の原因と考えられる。酸性度が高いほどフルフラールが多くできる。セルロースは紙の最も重要な構造成分) [F9] The Past「Smelling the past」https://the-past.com/comment/smelling... (1928年の本の匂いがチョコレート・コーヒーと表現されたことについて、研究者は、コーヒーやチョコレートが劣化する紙と多くの揮発性有機化合物を共有しているため意外ではない、と書いた) [F10] 増田勝彦「修復素材としての和紙とその世界への普及」国立公文書館 ICA2016 資料 https://www.archives.go.jp/about/acti... (和紙は繊維の抽出に木灰・石灰・炭酸ソーダを使い、それが紙中に残って弱アルカリ性になる。紙の化学的劣化の殆どを占める酸による劣化を抑える。1966年のフィレンツェ・アルノ川洪水で、国宝修理装こう師連盟が和紙をフィレンツェに送った(中性〜弱アルカリ性に注目して送ったわけではない)。著者は、これを機に和紙は酸性紙問題を抱えない保存用素材という認識が専門家に広まったと考える。現在、和紙は世界中のアーカイブの保全材料。日本で酸性紙問題が一般に知られたのは1980年) [F2] Bembibre, C. & Strlič, M.「Smell of heritage: a framework for the identification, analysis and archival of historic odours」Heritage Science 5, 2(2017)doi:10.1186/s40494-016-0114-1 /ScienceDaily(2017-04-07)https://www.sciencedaily.com/releases... (ロンドンのセント・ポール大聖堂の図書館で来場者が選んだ言葉:木のよう100%、煙っぽい86%、土っぽい71%、バニラ41%。強さは「強い」〜「とても強い」の間、70%超が快いと回答。バーミンガム博物館・美術館で、ロンドンの古書店で買った1928年の本の匂いの試料(名前を伏せて提示):チョコレート(ココア)が最多、次いでコーヒー、古い、木、焦げた。魚・体臭・腐った靴下・防虫剤という答えも。「歴史的な本の匂いの輪(Historic Book Odour Wheel)」を作成。Bembibre:遺産の受け止め方における匂いの役割は、これまで体系的に調べられてこなかった。匂いの輪は保存担当者が劣化の状態を知る手がかりにもなりうる。酢酸は「酢」の言葉と対応) [F3] CORDIS(欧州委員会)「In search of scents lost: new project explores Europe's smelly heritage」https://cordis.europa.eu/article/id/4... /オランダ王立芸術科学アカデミー人文学クラスター https://huc.knaw.nl/?p=1418 (Odeuropa:EUのホライズン2020から280万ユーロ、2020年11月発表、3年計画。AIで16世紀末〜20世紀初めの文書から匂いの記述を探す。7言語・25万点以上の文書と画像。成果はオンラインの「匂いの遺産の百科事典」。UCLのセシリア・ベンビブレが失われつつある匂いの回復・保存に取り組む)/Freethink「Scientists sniff out the smells of old Europe」https://www.freethink.com/science/sci... (AIで匂いの重要性を調べる初めての欧州の取り組み。1500年以降の印刷物には、教会のお香からたばこまで、匂いへの言及が多い) [F4] Wikipedia「Vanillin」https://en.wikipedia.org/wiki/Vanillin (世界のバニリン生産の約15%は今もリグニンの廃棄物から、約85%は石油化学原料から。木材由来のバニリンを作る唯一の会社はノルウェーのボレガード) [F5] 国立国会図書館「資料保存の取り組み」https://www.ndl.go.jp/jp/preservation... /カレントアウェアネス E770「NDL,和図書劣化に関する調査結果を公表」https://current.ndl.go.jp/e770 /同 講習会テキスト https://www.ndl.go.jp/file/preservati... (一般書庫は温度22℃・湿度55%前後を目安に管理し、暗く保つ。媒体自体の劣化要因として酸性紙。1950〜1990年代刊行の和図書を10年ごとに5群に分けて無作為抽出し、本文紙の物理的強度・酸性度・変色、製本の状態を調査(2005〜2006年度、2008年に報告書)。1984年に「紙の劣化と図書館資料の保存」シンポジウム記録を刊行) [F6] 岐阜県観光連盟「美濃和紙」https://www.kankou-gifu.jp/spot/detai... /Wikipedia(日本語)「和紙」https://ja.wikipedia.org/wiki/和紙 (正倉院に、702年(大宝2年)の美濃の戸籍用紙が日本最古の紙として保存されている。年代の分かる現存最古の和紙は正倉院の美濃・筑前・豊前の戸籍用紙。和紙は「1000年以上」とも言われる保存性。洋紙に比べ繊維が長く、薄くても強く寿命が比較的長い) [F7] Compound Interest「What causes the smell of new & old books?」(2014-06-01)https://www.compoundchem.com/2014/06/... (新しい本の匂い:紙の繊維は過酸化水素などで漂白され、AKDという「にじみ止め」が使われる。製本には共重合体の接着剤。新しい本の匂いについての科学的な研究は少なく、関わる成分は文字どおり数百ある) [F8] PubChem 酢酸(CID 176)/フルフラール(CID 7362)/ベンズアルデヒド(CID 240)/ヘキサナール/バニリン(構造式・分子式) ▼構造式・分子式(PubChem) 酢酸(Acetic Acid)https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/comp... フルフラール(Furfural)https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/comp... ベンズアルデヒド(Benzaldehyde)https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/comp... ヘキサナール(Hexanal)https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/comp... ジアセチル(Butanedione)https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/comp... ノナナール(Nonanal)https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/comp... オクタナール(Octanal)https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/comp... バニリン(Vanillin)https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/comp... ▼クレジット ナレーション:音声合成 Google Gemini BGM:OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME) 「ヒダマリトロニカ」by しゃろう https://opentracks.com/bgm/detail/8812 「アトリエと電脳世界」by しゃろう https://opentracks.com/bgm/detail/10000 「You and Me」by しゃろう https://opentracks.com/bgm/detail/13787 「さみしいおばけと東京の月」by しゃろう https://opentracks.com/bgm/detail/14308 写真・動画素材:Pixabay 一部の画像:画像生成AI(Google Gemini)で作成 地図:Natural Earth(パブリックドメイン) フォント:Noto Sans JP / Noto Serif JP(SIL Open Font License) ※内容に誤りがあれば、コメント欄でご指摘ください。確認のうえ、概要欄で訂正します。